1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04203229
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小郷 良明 大阪市立大学, 工学部, 教授 (70046910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 寛 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (20112526)
加藤 錠治 大阪市立大学, 工学部, 教授 (20224511)
矢野 元威 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (20046973)
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Keywords | 爆砕的前処理 / 2段液化 / イリノイ炭 / シクロヘキサノール-水系混合溶剤 / トメチルナフタレン-水系混合溶剤 / メカノケミカル分解 / ESRスペクトル / 水処理 |
Research Abstract |
これまでの実験結果を綜合的に解析した結果,水単独による前処理はいかに超臨界状態で使用しても液化に対して好結果を与えず,前処理には必らず有機溶剤の共存を必要とすることが判明した。そこで本年度は超臨界混合溶剤による処理をさらに効果的に行なうために、爆砕的前処理(溶剤と石炭を高温高圧下に処理し、圧力の除去を急激に行なって石炭に化学的変化と物理的変化を同時に与える方法)を第1段とするイリノイ炭の2段液化について検討した。 1.シクロヘキサノール水系混合溶剤で爆砕処理した石炭の液化 爆砕時1.9〜10MPa,350および400℃という条件で前処理した石炭を水素化し、液化率に対する爆砕条件の影響を調べた。爆砕は液化用石炭に対するきわめて効果的な前処理法であって、いずれの場合も液化率は大幅に向上した。特に圧力と同時に温度も急降下した場合は飛躍的に大きな液化率の向上を示し、爆砕本来のやり方の有用性を示した。また最通爆砕圧力はほゞ3MPaであることがわかった。さらに爆砕炭の電子顕微鏡による観察とESRスペクトルの測定から、この方法が石炭中のC-C結合をメカノケミカル的に切断する効果的な方法であることを定量的に示した。 2.トメチルナフタレン-水系混合溶剤で爆砕処理した石炭の液化 爆砕時2.8〜13.6MPa,400℃という条件で前処理し、同様に液化率に対する影響を調べた。爆砕の効果は十分認められたが、1.の場合ほど顕著ではなく,爆砕時圧力もあまり大きな影響を示さなかった。これはトメチルナフタレンの沸点が高いために、十分な爆砕効果が発揮されていないことによると思われる。従って爆砕に使用する有機溶剤は石炭に対する親和性よりも沸点の低いことを条件に選定する必要のあることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 水野 研吾: "石炭の2段液化反応2成分系溶剤及びメタノールによる前処理" 化学工学会第57年会講演要旨集. 第1分冊. 62 (1992)
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[Publications] 小郷 良明: "石炭の2段液化-主として水と非水素供与性溶剤との2成分系溶剤による石炭の前処理" 第22回石炭科学会議論文集. 32-35 (1992)
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[Publications] 番匠谷 晃: "水-トメチルナフタレン系混合溶剤を用いる爆砕法による液化用石炭の前処理" 化学工学会第58年会. (1993)
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[Publications] 水野 研吾: "水-シクロヘキサノール系混合溶剤を用いる爆砕法による液化用石炭の前処理" 化学工学会第58年会. (1993)
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[Publications] 小郷 良明: "Two-stage liquefaction of coal consisting of pretreatment by the use of binary water-hydrocarbon systems and solvent liquefaction" 第4回日中石炭・C1化学シンポジウム. (1993)