1992 Fiscal Year Annual Research Report
層間化合物用ホスト黒鉛フィルムの作製とインターカレーションによる機能発現
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04204001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲垣 道夫 北海道大学, 工学部, 教授 (20023054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹市 力 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90126938)
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Keywords | ポリイミド / 黒鉛 / フィルム / インターカレーション / 前駆体 / 配向 / 電導度 |
Research Abstract |
1)高結晶性黒鉛フィルムの作製 2種の芳香族ポリイミドフィルムについて炭素化および黒鉛化挙動を調べた。生成炭素フィルムの黒鉛化性が前駆体分子の平面性に強く依存することが明かとなった。そこで、前駆体をガラス基板上で成膜したのち、基板上に固定した状態、20%の延伸を加えた状態、そして基板から外した状態でイミド化した3種のフィルムを作製し、それらの黒鉛化性を比較した。イミド化の際に抑制効果が作用している前2者の場合に高い黒鉛化性が得られ、前駆体分子の配向の重要性が示された。種々の温度での加熱処理に伴う構造・組織変化を高分解能透過電子顕微鏡観察、X線回折および磁気抵抗パラメータの測定などによって追跡した。その結果、2000℃付近ではフィルム面に沿って偏平となった気孔が存在するが、2500℃以上で急激に網面が合体、成長し、フィルムに平行に延びた網面が生成することが明らかとなった。 2)黒鉛フィルムと他種分子との複合化による高機能化 芳香族ポリイミドフィルムから作製した黒鉛フィルム中へのFeCl_3のインターカレーションによる電気伝導度の向上を検討した。インターカレーションによって、電導度は約6倍に向上させることが出来るが、それはインターカレーションの方法、条件に強く依存していた。FeCl_3-KCl溶融塩中でのインターカレーションはきわめて急激であり、高い温度を用いるとホスと黒鉛フィルム自体を膨張させ、電導度が原料よりも低下することさえあることが明かとなった。CuCl_2の黒鉛フィルムのインターカレーション反応は非常に制限されており、同じ寸法を持つ高配向性熱分解黒鉛(HOPG)あるいはキッシュ黒鉛との比較から、強いホスト効果を示すことが明かとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 稲垣 道夫: "黒鉛を与える有機前駆体フィルムの炭素化挙動と黒鉛化" 炭素. 1992. 244-250 (1992)
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[Publications] M.Inagaki: "Carbonization Behaviour of Polyimide Flims with Various Chemical Structures" J.Appl.Polym.Sci.44. 521-525 (1992)
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[Publications] Y.Hishiyama: "Graphite Films pvepared from Carboniged Polimide Flims" Carbon. 30. 303-307 (1992)
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[Publications] Y.Hishiyama: "Synthesis of High Quality Grapite Films.New Host Matesials for Graphite Intercalation Compounds" Mat.Sci.Forum. 91-93. 239-243 (1992)
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[Publications] C.Bourgertte: "Structural and Fextural Chauges from Polyimide Kapton to Graphite:Past I.Optical Microscopy and Electron Microscopy" J.Mat.Res.7. 1158-1173 (1992)
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[Publications] M.Inagaki: "Structural and Textural Changes from Polyimide Kapton to Graphite:Part II.Magnetoresistance and X-ray Diffraction" J.Mat.Res.7. 1174-1177 (1992)