1992 Fiscal Year Annual Research Report
生体・人工レセプターのシグナル増幅機能に基づく高感度センシング膜の基本設計
Project/Area Number |
04205001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅澤 喜夫 東京大学, 理学部, 教授 (80011724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠田 浩司 東京大学, 理学部, 助手 (60212065)
菅原 正雄 東京大学, 理学部, 助教授 (50002176)
小野嶋 和徳 北海道大学, 理学部, 助教授 (30152507)
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Keywords | イオンチャンネル / 能動輸送 / 脂質二分子膜 / Langmuir-Blodgett膜 / シクロデキストリン / グルコース共輸送たんぱく / Na^+,K^+-ATPase / 化学センサー |
Research Abstract |
人工系,生体系からの両面アプローチにより,選択的な分子認識に伴う,新規シグナル変換増幅機能を備えた生体機能膜を開発した.明確なチャンネル構造を持ち長鎖アルキル型β-シクロデキストリンを用いて,有機ゲスト分子によるチャンネル入口のブロックによる透過性制御の可能性について検討し,長鎖アルキル型シクロデキストリン単分子膜において,分子内チャンネルの入口をゲストにより直接ブロックすることにより,分子透過性の制御が可能であることが証明した.能動輸送に基づく増幅機能膜として,モルモット小腸刷子縁膜から単離,精製したNa_+/D-グルコース共輸送蛋白を,単分子膜貼り合わせ法により作製した平面脂質二分子膜に包埋することに成功し,10^<-9>MのD-グルコースの化学センシングに応用した.また,生体Na^+ポンプであるNa^+,K^+-ATPaseを豚腎臓より抽出,精製し,それを平面脂質二分子膜に包埋することによって,μMレベルのATPイオンに電位応答するセンサーを開発した.さらに,人工液膜を用いるuphill輸送の輸送時間(従来は時間のオーダー)を数分のオーダーに短縮するための基礎検討を行った.輸送の平衡到達時間を短縮するためには,受容槽の体積,液膜の面積及び駆動エネルギーの大きさを最適化する必要があることを明らかにし,それらを基礎として,数分で輸送平衡に到達するuphill輸送系を構築した.また,uphill輸送により神経伝達物質カテコールアミンを選択的に完全(100%)濃縮できる人工液体膜を開発した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Sugao: "Na_+/D-Glucose Cotransporter Based Bilayer Lipid Membrane Sensor for D-Glucose" Anal.Chem.(1993)
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[Publications] Y.Adachi: "Na_+,K_+-ATPase-Based Bilayer Lipid Membrane Sensor for Adenosine 5'-Triphosphate" Anal.Chim.Acta. (1993)
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[Publications] K.Odashima: "Voltammetric Study on a Condensed Monolayer of Long Alkyl Cyclodextrin Derivativy as a Channel Mimetic Sensing Membrane" Anal.Chem.(1993)
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[Publications] M.Sugawara: "Bffect of the Membrane Surface Charge on the Host-Guest Complex of Valinomycin in a Synthetic Lipid Monolayer at the Air-Water Interface" Langmuir. 8. 609-612 (1992)
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[Publications] 小田嶋 和徳: "分子認識界面を基礎とするセンシング化学" 電気化学および工業物理化学. 60. 14-21 (1992)
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[Publications] Y.Umezawa: "Bioelectroanalysis 2" B.Pungor, (1993)