1992 Fiscal Year Annual Research Report
熱伝導傾斜機能をもつ窒化アルミニウムの製造と特性に関する基礎研究
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04205051
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
米屋 勝利 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30215412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 竹司 横浜国立大学, 工学部, 助手 (40134895)
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Keywords | 窒化アルミニウム / 希土類酸化物 / イットリア / シリカ / ポリタイポイド / 相反応 / 熱土導率 / 熱膨張係数 |
Research Abstract |
AlN系材料内に熱伝導率に異方性をもたせた新材料を創製することの可能性を明らかにすることを目的とし,本年度は高熱伝導性AlNと低熱伝導率のAlN系ポリタイポイド(AlN^<(P)>)を用いて,両者接合カップルの界面での相反応を調べた.AlN^<(P)>としてはAlN-SiO_2-Y_2O_3系の他に,AlN-Al_2O_3-Y_2O_3系についても検討した.しかし,後者の系からAlN^<(P)>を生成するためにはかなり多くのAl_2O_3を必要とすることが判明したので,SiO_2添加系からのAlN^<(P)>を使用した.AlN-Y_2O_3系から熱伝導率がそれぞれ70,170,220,260W/mkの値をもつ各種焼結体を作製した.AlN^<(P)>としては27R-AlNを使用した.AlNとAlN^<(P)>の各接合カップルの作製は1800℃,10分間のホッとプレスによって行った.ついで同温度で熱処理を行い接合界面での反応挙動を解析した.AlNとAlN^<(P)>の接合性は,AlN側の熱伝導率と密接な関係があり,高熱伝導率の試料ではAlN^<(P)>との相反応はほとんど認められず,従って260,220W/mkのAlNでは接合が困難であった.このことはAlN自体はAl-Y-Si-O-N系の高温液相との親和性が悪く,接合性の良否はAlN中に存在する不純物酸素や粒界相に直接依存していることを示すものである.接合性が良好であった70W/mk-AlN/27R-AlN^<(P)>のカップルについて,接合界面付近での拡散挙動を調べた結果,時間の経過に伴いAlN^<(P)>からのSiの拡散が明確に確認された.界面反応によって微溝造も微妙に変化し,Siの拡散の度合いに応じてAlN側の結晶形態が,粒状から板状へと変化した.また,Y_2O_3はAlNの緻密化を促進するものとして理解されてきたが,純粋なAlNに対してはY_2O_3は不活性で緻密化には寄与しないという重要な知見も得られた.
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[Publications] K.Komeya: "Role of Rare Earth Compounds for the High Thermal Conductive Aluminum Nitride Ceramics" Proc.of TMS Annual Meeting. 367-378 (1992)
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[Publications] K.Komeya: "Synthesis of Aluminum Nitride Powder by Carbo-thermal Reduction Nitridation Method" J.Ceram.Soc.Japan. (1993)
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[Publications] K.Komeya: "Interfacial Reaction between AlN and AlN Polytypoids" Proc.of 2nd International Symposium on Functionally Gradient Materials.
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[Publications] 米屋 勝利(共著): "実験化学講座" 丸善, 16 (1992)