1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04210112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松岡 秀雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (10013666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 博之 科学技術庁航空宇宙技術研究所, 構造力学部破壊力学研究室, 室長
湯浅 欽史 東京都立大学, 工学部, 助教授 (30087233)
佐藤 淳造 東京大学, 工学部, 教授 (80011211)
山内 平行 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (90013713)
竹内 啓 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20012114)
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Keywords | 高度技術社会 / 安全問題 / ヒューマン・ファクター / アクシデント / インシデント / データベース / 事故論 / 技術科学論 |
Research Abstract |
高度技術社会における安全問題の中心的な課題は、事故原因に係るヒューマン・ファクター問題である。従って、この問題に焦点を絞り、高度技術社会に向う技術開発の方向性に安全問題から指針を与えることが本研究の目的である。 そのため、昨年度に引続き、航空事故関連情報の収集を続行し、データベース・マシンを拡充整備した。さらに知的な援助を得る方途を考究しつつ、当研究により試作中の航空事故関連情報データベース:AAID(Aviation Accident/Incident Database)の増強を進めた。 具体的には、(1)多量の入力データ等に対応すべく、ハードディスクの記憶容量をさらに2Gバイト増加、(2)磁気媒体による大容量記憶のバックアップや大容量データの入力を可能にするため、1/2インチMT及び8GバイトDAT等の装置を導入、(3)米国NTSBの2万件に及ぶ航空事故データの移植、(4)OCRあるいは直接入力によるICAOの航空事故データや日本の航空事故調査報告等のデータベース化等がその成果として挙げられる。 このようにして構築されたデータベースを基に、技術科学論を進化・発展させつつ、個別事例研究を媒介にして、ヒューマン・ファクター問題克服の本質にアプローチした。 技術の発展の中で、技術システムの外部の人問は云までもなく内部の人間についても、その存在については、取扱いが困難であるがゆえ後回しにされるか、無視されてきた。しかし、高度技術社会の進展の中で安全問題は技術システム内外の人間の存在をクローズ・アップする。技術が社会の隅々にまで普及する高度技術社会にあっては、困難ではあっても、ヒューマン・ファクター問題は避けて通ることはできない。
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[Publications] 松岡 秀雄: "マクロエンジニアリングの展開" 竹内啓ほか編「地球を考える」(三田出版会刊行). 133-173 (1992)
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[Publications] 竹内 啓: "地球環境問題の論理" 竹内啓ほか編「地球を考える」(三田出版会刊行). 13-43 (1992)
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[Publications] 竹内 啓: "地球環境には経済成長が欠かせない" エコノミスト. 70-22. 72-77 (1992)
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[Publications] 佐藤 淳造 ほか: "誘導抵抗を減少させる三次元翼平面形状について" 日本航空宇宙学会誌. 40-466. 603-609 (1992)
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[Publications] 湯浅 欽史: "事故ー技術者と社会の接点" 技術史研究. -67. 13-18 (1992)
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[Publications] 寺田 博之: "航空機構造と破壊力学ー最近の動向ー" 機械の研究. 44-10. 1-6 (1992)
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[Publications] 竹内 啓,松岡 秀雄(共編著): "高度技術社会のパースペクティブ平成4年度研究成果概要" (財)統計研究会, 374 (1992)
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[Publications] K.Takeuchi & H.Matsuoka(eds.): "Perspectives of Advanced-technology society 1992" Inst.of Statistical Research, 304 (1992)