1992 Fiscal Year Annual Research Report
新しい技術文明における地域社会システムのあり方の研究
Project/Area Number |
04210115
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 幸雄 東京工業大学, 理学部, 教授 (70016153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 伸夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (30171507)
武藤 滋夫 東北大学, 経済学部, 教授 (50126330)
大内 東 北海道大学, 工学部, 教授 (50002308)
柴田 洋雄 山形大学, 人文学部, 教授 (80007145)
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Keywords | 高度技術社会 / 地域社会システム |
Research Abstract |
過去2年間の研究成果を踏まえ、本年度は「高度技術文明における地域社会システム」について、地域リーダー達への聞き取り調査の補足を行うとともに、各種のモデル分析を通じて、地域社会システムのあり方について、検討した。その結果、まず現状についてはつぎのような点が認識された。 (1)農村部においても都市化が進行している。この背景には農業の企業化や通勤農業の常態化などがある。 (2)一部地域では高齢化が非常に激しい。出生率も低下している。 (3)人口5万以下の都市は、過疎化が進行し、存続が難しい。地方中核都市、首都圏などへの人口流出が続いている。 (4)文化的な生活を営むためには、人口20万以上の核となる都市が近隣に存在することがどうしても必要である。 われわれは、人口の分散化、農山村の人口維持、ということが、将来の日本あるいは東北・北海道にとって不可欠ではないかという仮説の上に、それを裏付ける事実なり理論なりを模索してきた。しかし、結果的にはそれは見つけられなかった。したがってこの仮説を捨てざるをえない、というのが本研究の一つの結論である。 この研究の中で、新しい生活スタイルの可能性が浮かび上がってきた。それはマルチ・オフィスである。これは複数の都市に職場をもち、週とか月とかという単位で時分割的に働く場所を変えるというものである。これの実現のためには、高速交通網や高度情報通信網といった高度技術社会が前提となるが、企業側からみれば人的資源の有効利用、個人側からみれば良好な勤労環境、ゆとりのある生活環境の創造につながる。ただし、実現のために障害となる制度や社会慣行なども多い。今後、これらの点について研究を継続していきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 武藤 滋夫: "情報の売買のゲーム理論的分析" 研究年報.経済学. 53. 389-401 (1992)
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[Publications] 高橋 伸夫: "組織のロジックと地域社会システム" 研究年報.経済学. 53. 359-372 (1992)
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[Publications] 高橋 伸夫: "組織活性化への数量的アプローチ" 組織科学. 24. 37-45 (1990)