1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04211108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋元 良明 東京大学, 社会情報研究所, 助教授 (50164801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広井 脩 東京大学, 社会情報研究所, 教授 (80092310)
白井 英俊 中京大学, 情報科学部, 助教授 (10134462)
荻野 綱男 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (00111443)
吉井 博明 文教大学, 情報学部情報システム学科, 教授 (10146269)
三上 俊治 東洋大学, 社会学部, 教授 (00114661)
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Keywords | 情報行動 / 情報環境 / 電子メール / マン・マシーン・インターフェース / 日本語ワープロ / 言語行動 / 社会的脆弱性 |
Research Abstract |
初年度は東京都住民を対象として日常生活での情報行動の実態を調査したが、女性の職場進出、通勤時間の増加などに伴い、家庭での滞在時間が減少していることもふまえて、本年度、情報行動班(橋元他)では、職場における情報行動に関する調査を実施した。中でもとくに、今後の一般市民のコミュニケーション・ツールとして大きな可能性を潜めたパソコン通信に焦点をあて、先進的に電子メイルを導入している23社を対象にその現状や将来性に関するヒアリングを実施し、さらにそのうち18社の社員545名に対してアンケート調査を行なった。ヒアリングとアンケート調査の結果、電子メイルシステムが有効に活用されるには、(1)利用者が一定数(critical mass)を越えていること、(2)端末が一人一台に近いハード環境にあること、(3)上司を始め、職場の雰囲気が利用に積極的であること、(4)フォーマルな利用に限らず、インフォーマルな利用も比較的自由であること、(5)キーボード操作能力の高さが電子メール利用頻度と正の相関をもつこと、(6)電子メイル導入の効果として、ファックスの利用や会議回数が減少したこと等の知見が見いだされた。 コミュニケーションにおける記号媒体の変化を探る言語行動班(荻野)では、初年度のプリテストに続き、684名を対象として、ワープロ利用と日本語表記変化に関するアンケート調査を実施した。人間にとって情報機器との最適インターフェイスモデルを考察するマン・マシーン・インターフェイス班(白井他)では、人間と計算機との交流における状況依存性に関し、リアルタイム・非対面・文字による対話形態であるtalk形式の対話形態で、どのような会話が行われるかを実験してその分析を行い、対面対話との比較・検討を行った。さらに、情報化社会における人間行動へのネガティブな影響を探る社会的脆弱性班(広井他)では、初年度に続き災害時の情報システムダウン問題の分析に加え、情報化に伴って、予想に反し増加しつつある紙量消費および処理の実態について実態調査を実施した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 橋元 良明,他: "1991年東京都民情報行動の実態" 東京大学社会情報研究所調査研究紀要. No.2. 45-157 (1992)
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[Publications] 広井 脩,中村 功: "1991年台風19号と災害情報の伝達" 東京大学社会情報研究所調査研究紀要. No.1. 35-106 (1992)
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[Publications] 荻野 綱男: "ある家庭の電話のかけ方の実態" 日本語学. Vol.11,Vol.10. 39-50 (1992)
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[Publications] 吉井 博明: "電話利用の新しい形態と電話ネットワークの社会的意味" 現代のエスプリ. 306. 62-74 (1993)
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[Publications] 是永 論: "電子メディアと生活状況ー多元的高メディア状況によるリアリティの変容" マス・コミュニケーション研究(旧『新聞学評論』). 423. (1993)
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[Publications] 橋元 良正,他(共著): "ポップ・コミュニケーション全書" PARCO出版, 321 (1992)
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[Publications] 第II群研究代表者・分担者: "重点領域研究「情報化社会と人間」 第II群合同成果報告書" (第II群事務局・総括班), (1993)