1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04211120
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 保 大阪大学, 人間科学部, 教授 (80062636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 真佐子 大阪大学, 人間科学部, 助手 (40252564)
土佐 昌樹 神田外語大学, 韓国語学科, 講師 (10237084)
梶原 景昭 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (10116014)
中林 伸浩 金沢大学, 教養部, 教授 (30019848)
|
Keywords | 文化複合 / 情報化 / 国際化 / 文化情報 / 異文化イメージ / 間文化・間社会 / 比較 / 文化変容 |
Research Abstract |
本年度は、高度情報化社会における「文化変容」の問題について、「間文化」「間社会」からの視点を中心に調査研究を行った。具体的な課題として、1.情報化がもたらす文化間・国際間のイメージ作用、および 2.情報化の進展にともなう「文化」の再編について現代日本と東アジアの実態を中心に研究を進めた。 これまで行ってきた高度情報化社会における「文化複合」の実態研究を継続するとともに、本年度はとくに「イメージ複合」を取り上げ、マス・メディアにおける「異文化」イメージの研究を追究した。興味深い点は、文化に関する情報には、それが一つの文化から他の文化へと伝わっていく間に「変容」することがあらためて確認されたことである。この「情報変容」の問題は新たに浮かび上がった点である。個別文化要素の複合の分析には時間がかかるが、情報と文化との関係には複雑な屈折作用が働くことも次第に明らかとなった。マス・メディアと交通の発達が大量の情報の移転を容易にしていることは事実であるが、「文化情報」は大変選択的であり、選択主体としての「自文化」はやはり存在するように思われることが分かったのも、本年度の研究の収穫である。 本年度は3回にわたる集中的な研究会合を開き、群主催の合同シンポジウムにも参画した。研究討議の成果として次のものがある。1.文化研究の立場から「情報化」「国際化」といった現象への理論的アプローチの検討が深まったこと 2.アジアの「情報化」「社会変容」についての新たな視角が提示されたこと 3.海外を含む多様な背景と、国外での研究実績を有する研究分担者による共同研究班によって現代日本社会および密接な関連を持つアジア社会との理論的な比較研究が軌道にのったこと。 本年度は最終年度であることから、研究参加者から個別の成果発表に加え、研究報告書として研究図書を刊行する予定であり、現在執筆作業が進行中である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 青木 保: "イスタンブールの幻想" へるめす. 53. 2-17 (1995)
-
[Publications] 青木 保: "コロンボの憂鬱" へるめす. 54. 168-182 (1995)
-
[Publications] 青木 保: "Attempts on Writing Japanese Culture" The Japan Foundation Newsletter. VOL.XXII No.3. 1-6 (1994)
-
[Publications] 梶原景昭: "「山下財宝」の行方" 年報人間科学. 16. (1995)