1992 Fiscal Year Annual Research Report
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04212101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小泉 格 北海道大学, 理学部, 教授 (20029721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 隆治 東京大学, 理学部, 助教授 (30143366)
野村 律夫 島根大学, 教育学部, 助教授 (30144687)
原田 憲一 山形大学, 理学部, 助教授 (90134147)
大場 忠道 金沢大学, 教養部, 教授 (60013588)
高山 俊昭 金沢大学, 教養部, 教授 (40004361)
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Keywords | 化学組成分析 / 黄鉄鉱 / 二酸化マンガン / 珪藻群集 / ミランコビッチサイクル / 鉱物組成分析 / 表層水 / 氷期-間氷期 |
Research Abstract |
ODP127地点堆積物のXRFによる全岩化学組成分析を140余りについて行った。S/Fe_2O_3比は砕屑物起源の鉄がどのくらい黄鉄鉱に成ったかの指標(DOP)として利用されるが,DOPが〜2.5を越える試料ではFe_2O_3/Al_2O_3比も高い。これは深層水中で黄鉄鉱が沈殿したことを暗示し、euxinicな環境を示す。前回のC/S比の結果と調和的であり、より明確にeuxinic eventsがとらえられた。それは低海水準期に起っていることが確認された。それ以外に高海水準から低海水準に急激に変化する時期のいくつかで起こっている。MnO_2は酸化的環境で沈殿するが、高海水準期に堆積濃集していることが判明した。 日本海の海洋環境が50万年前以降どのような周期性をもって変動して来たかを珪藻群集の3項目の変動データについて数値解析を行った。過去50万年間は汽水性種Paralio sulcata(殻数)が地軸の傾きの変動周期(4万1000年)に近い5万2400年,離心率の変動周期(9万5000年〜12万4000年)に相当する12万1400年と地球軌道要素の周期で代表される。同様に、珪藻温度指数の変動周期のうち周期13万100年は離心率の変動周期に近いので、ミランコビッチサイクルに反応していると判断される。過去9万6000年間ではP.Sulcataの変動が地軸の傾きと地軸の歳差運動に近い4万2320年と1万1910年の周期を示す。過去6500年では1500年から1900年までの周期でほとんどの変動が代表される。 ジャワ島沖のインド洋P3コアの酸素同位測定、XRDによる全岩鉱物組成分析、全炭素量・全窒素量測定、有機炭素量測定を行った。氷期には海水準が低下して表層水の太平洋からインド洋への流入が弱化するために、陸源性砕屑物や有機物が深海底に供給されず炭酸塩堆積物の溶解が生じない。一方、間氷期にはこれと反対の状況になり非炭酸塩堆積物が形成されるようになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Itaru Koizumi: "Diatom biotratibraphy of the Japan Sea:Leg 127" Proceedins of the Ocean Drilling Program Scientific Results. 127/128. 249-289 (1992)
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[Publications] 小泉 格: "日本海掘削と珪藻化石" 月刊地球. 6. 217-222 (1992)
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[Publications] Kenichi Harada: "Importance of cyclical view of the nature in understanding the characteristics of the earth's resources and environment" Environment and Civilization. 6. 34-35 (1992)
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[Publications] 原田 憲一: "地球環境危機の元凶は科学か技術か科学技術か" 堆積学研究会報. 36. 77-82 (1992)
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[Publications] 野村 律夫: "日本海の拡大期における備北層群の底生有孔虫群集" 地質学論集. 37. 139-148 (1992)
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[Publications] Ryuji TADA: "Lithostratigraphy and compositional variation of Neogene hemipelagic sediments in the Japan Sea." Proceedings of the Ocean Drilling Program Scientific Results. 127/128. 1229-1260 (1992)
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[Publications] 小泉 格: "海・潟・日本人ー日本海文明交流圏" 講談社, 302 (1993)