気候・植生の変遷と文明の盛衰

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04212116
• Research Institution: International Research Center for Japanese Studies
• Principal Investigator: 安田 喜憲 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (50093828)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 北川 浩之 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (00234245) ; 松岡 數充 長崎大学, 教養部, 教授 (00047416) ; 池谷 元伺 大阪大学, 理学部, 教授 (20023161) ; 成瀬 敏郎 兵庫教育大学, 教授 (60033510) ; 竹村 恵二 京都大学, 理学部, 助教授 (00201608)
• Keywords: 気候変動 / 植生変遷 / 文明の盛衰 / 花粉分析 / 年代測定 / 古地磁気 / 珪藻分析 / 地球化学的分析

Research Abstract

1)ボーリング調査:平成4年7-8月の間、北海道稚内市大沼湖底のボーリング調査を実施し、35.1mの不攪乱連続試料を採取した。平成4年10月、山口県阿武郡宇生賀地区のボーリング調査を実施し、20.5mの不攪乱連続試料を採取した。
2)堆積物の各種分析と結果の発表:平成4年4月-平成5年3月のあいだこれまでに採取した三方湖、水月湖ほかの各地の堆積物の層序分析、火山灰分析、花粉分析、珪藻分析、古地磁気分析、ダスト分析、地球化学的分析、年代測定を実施し、その分析結果を発表した。分析結果の発表状況は研究発表一覧にしめすごとくである。
3)研究会の開催:平成4年5月5日京都市において、平成4年6月9日京都市において、平成4年7月25-26日京都市において、平成4年10月7日京都市において、平成4年12月7-8日長崎県雲仙において、平成4年3月8-12日京都市において、サンプルの分配および研究会を開催した。
4)研究成果報告会:平成4年5月23-24日に山形県鶴岡市にて開催した公開シンポジウム「森の思想と文明」、平成4年6月22-23日東京都で開催した「古代文明と環境」、平成4年12月5-6日長崎市で開催した「民族移動と環境」、平成5年3月27-28日に鹿児島市で開催した「火山・環境・文明」でその研究成果の一部を報告した。
5)特記すべき成果:福井県水月湖ならびに鳥取県東郷池より採取した堆積物にみられる縞縞を花粉・珪藻・地球化学・年代測定などにより、こまかく分析した結果、過去1万年間の気候・植生変遷を数年単位で復元できる見通しをえた。平成5年度にはそうした気候・植生の復元結果と人類史との対応関係について考察する。

Research Products

• [Publications] TAKEMURA,K.: "Comment on grain size of samaples from Switzerland." IPPCCE News Letter. 6. 168-171 (1992)
• [Publications] TAKEMURA,K.: "Comment on grain size of samples from Darwin Crater,Tasmania." IPPCCE News Letter. 6. 155-160 (1992)
• [Publications] 松岡 數充: "西九州・平戸島における約6,000年前以降の古環境変遷." 日本花粉学会誌,. 38-1. 1-11
• [Publications] 松岡 數充: "海産パリノモルフ化石群集からみた対馬・三根湾における完新世の沿岸海洋環境の変遷." 第四紀研究. 31-3. 147-157
• [Publications] 成瀬 敏郎: "日本の海浜にみられる植生帯と地形断面形および堆積物の関係" 地形. 13-3. 203-216 (1992)
• [Publications] 鹿島 薫: "トルコ中央部の湖成堆積物と珪藻群集." 堆積学研究会報. 37. 93-96 (1992)
• [Publications] Kashima,K: "Living Diatoms of Inland Lakes in the Central Part of Turkey(part 1)." Geo.Rep.Coll.Gen.Edu.Kyushu Univ.30.
• [Publications] 鹿島 薫: "汽水湖沼における現生および化石珪藻群集." 地質学論集.
• [Publications] M.Ikeya: "Spin-Spin relaxation time of E'centers in neutron-irradiated quartz(SiO_2) and in fault gouge." Jpn.J.Appl.Phys.31. 1539-1541 (1992)
• [Publications] M Ikeya: "A theoretical growth curve of defect formation for electron spin resonance and thermoluminescence dating" Jpn.J.Appl.Phys.31. 1618-1620 (1992)
• [Publications] M.Ikeya: "Single grain ESR analysis of zircon:comparison with fission-tracks" Quaternary International. 13/14. 131-134 (1992)
• [Publications] 豊田 惠聖: "「三方湖における100m堆積物柱状試料中の化学成分の分析結果」" 日本陸水学会第57回大会講演要旨集. 132 (1992)
• [Publications] Kitagawa,H.: "A Batch preparation method for graphite tsargets with Low background for AMS 14C measurements." Radiocarbon. 35.
• [Publications] YASUDA,Y.: "The Holocene climatic changes and the transformations of Jonon culture in Japan." Environment and Civilizations. 6. 15-19 (1992)
• [Publications] 安田 喜憲: "「日本文化の風土」" 朝倉書店, 211 (1992)
• [Publications] 山野井 徹: "「地球環境の復元」" 朝倉書店, 334 (1992)