1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04212117
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
速水 融 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40051164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 信 立教大学, 文学部, 助教授 (90151802)
古田 和子 東洋英和女学院大学, 人文学部, 助教授 (20173536)
落合 恵美子 同志社女子大学, 専任講師 (90194571)
斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
黒須 里美 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (20225296)
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Keywords | 歴史人口学 / 近世奥羽地方 / 近世都市人口 / 明清時代 |
Research Abstract |
1)自然環境変動.時間的・空間的に極めてて限定された範囲内での自然環境の変動を、歴史文献から追うことは不可能に近く、多くの労力を割くことは、得ることの出来る結果を考えるならば、避けるべきであるとの結論に達した。むしろ、現在行われている他の研究の成果を利用する方向に転換する。 2)社会変動.とくに近世日本における農業の展開、とくに特産物を伴う地域的特性、稲作の地域性を明らかにし、人口変動との関係を考える基礎作業を行った。 3)巨視的人口変動.自然環境の短期的変動の影響を最も敏感に受ける奥羽地方について、各藩の人口調査資料を収集し、江戸時代の人口趨勢を明らかにすることが出来た。また国勢調査以前の人口統計を整備し、全国の人口変動について、詳細な分析が可能となるよう準備を行った。 4)微視的人口変動.江戸時代の巨視的人口変動に対応して、その詳細を知り得るような史料、宗門改帳・人別改帳を調査し、その整理分析を通じて、人口や家族の変化を観察した。今年度は、前年度以来引続き、福島県の旧二本松藩領、会津地方、および、近畿地方の都市(京都、奈良、大阪、高砂)を対象として観察を行い、史料の読み取り、整理シート作成、コンピュータ入力、分析を行った。これらの個別研究を積み重ねることを通じて、巨視的人口変動の中身を実証的に明確にすることが出来た。 5)中国については、明清時代の糸譜類および方誌(地方誌)の収集分析を通じ、人口変動の内容を明らかにする基礎作業を継続して行った。
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[Publications] 速水 融: "人口統計の近代化過程ー戸籍編成から国勢調査へー" 『国勢調査以前日本人口統計集成1』(原書房)解題. 1-16 (1992)
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[Publications] 黒須 里美: "弘化三年ヒノエウマ:文化と人口の地域性" 『日本研究』(国際日本文化研究センター紀要). 第6集. 35-55 (1992)
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[Publications] Satomi Kurosu: "The Ecology of the Extended Family in Japan" Japan Review. 3号. 73-95 (1992)
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[Publications] 斎藤 修: "家族史と歴史人口学" 『社会経済史学の課題と展望』(有斐閣)所収. 368-377 (1992)
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[Publications] 斎藤 修: "人口転換以前の日本におけるmortality" 経済研究. 43-3. 248-267 (1992)
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[Publications] 速水 融: "近世濃尾地方の人口・経済・社会" 創文社, 355 (1992)