1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04213101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 武士 東京大学, 法学部, 教授 (60009818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 鐘元 東北大学, 法学部, 助教授 (20210809)
長尾 悟 国際大学, 日米関係研究所, 助教授 (20189103)
中西 輝政 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (90172353)
油井 大三郎 一橋大学, 社会学部, 教授 (50062021)
石井 明 東京大学, 教養学部, 教授 (10012460)
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Keywords | 日本 / 戦後 / 国際環境 / アメリカの占領 / 占領改革 / 東アジア / 国際関係史 / 1950年代 |
Research Abstract |
五十嵐班の1992年における活動は以下のとおりである。最初に提出した研究計画にもあるとおり、研究初年度にあたる本年は各メンバーがそれぞれの分担範囲に関する先行業績の検討および資料の収集を行い、個別に研究を進めていった。資料収集に関しては、特に1950年代に重点をおいた。これは、アメリカを中心とする現在の資料の公開状況からみても、先行業績のカバーする範囲が主として50年代以前にとどまっていることから考えても妥当なところであろう。 研究会については、上述の活動をふまえて、現在最も研究が進んでいる戦後アメリカの外交政策の研究状況を把握することに重点をおき、主要な研究の著者を招いて議論を行った。研究会は三回開催した。第一回目は、日本大学国際関係学部助教授の加藤洋子氏による「アメリカの世界戦略とココム」という報告である。加藤氏の議論は、戦後アメリカの政治経済体制の形成を共産圏に対する戦略物資の貿易統制という観点から分析した斬新なものである。第二回目は、成蹊大学法学部助教授の西崎文子氏による「アメリカと国際秩序」という報告で、西崎氏は戦後世界秩序の中心といってよい国際連合の形成にアメリカがどのようにかかわったかという分析を行った。両氏の研究は共に、我々の目指している「国際政治経済体制の形成および展開」の分析における、形成の部分に関する重要な議論を提供してくれた。そして第3回目は、代表者の五十嵐武士が対日講和の過程にみられる日米関係の人種・民族問題を報告した。 さらに、五十嵐班は研究内容の近い北岡班と、研究会において相互の交流をはかっている。92年は京都産業大学の吉川洋子氏による「日比賠償交渉の展開」という研究会に出席し、国際政治経済体制と日本の関りについて貴重な示唆を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 五十嵐 武士: "占領と日本宗教 戦後日米交流計画の胎動" 未来社, (1993)
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[Publications] 赤根谷 達雄: "日本のガット加入問題" 東京大学出版会, 378 (1992)
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[Publications] 李 鐘元: "岩波講座「近代日本と植民地化」第8巻アジアの冷戦と脱植民化 戦後米国の極東政策と韓国の脱植民地化" 岩波書店, (1993)