1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04214103
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安久 正紘 茨城大学, 工学部, 教授 (10016462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 良夫 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (20152358)
野口 康二 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (50147948)
寺町 康昌 職業訓練大学校, 教授
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Keywords | 電気探査 / ロックインアンプ / 見かけ比抵抗 / 鏡像法 / 境界要素法 / 積分方程式法 |
Research Abstract |
本研究では、まず現在考古学探査に使用されている電気探査装置の能力と限界を知るための基礎調査を行い、土壌の抵抗率の周波数依存性を考慮した装置を作成しその性能を調べるための基礎測定および従来の方法との比較検討を行った。この装置はロックインアンプ及びBTL型出力アンプにより構成されており、周波数可変信号を土壌に印加し、その応答の解析から土層断面層の分層と遺構部分の抽出を行うという従来にはない新しい方法を用いたものである。その結果今回作製した装置は、従来のものに比べ雑音除去能力が非常に高く、地中深部の測定、乾燥した土壌および電気的雑音が大きい場所での測定に効果があることがわかった。また1MHz程度の高周波電圧を印加した場合、従来の方法では得られなかった土壌中構造物の誘電体としての情報が得られる可能性があることがわかった。 またデータを解析する際に必要となる計算過程において、電位の特異点を境界上から無くし、従来のものより少ない計算量で高精度の解析が可能となる鏡像方法と境界要素法を組み合わせた方法を考案しその理論的考察を行った。さらに高周波の電圧を印加した場合の土壌の見かけ比抵抗分布、位相差分布について、積分方程式法による3次元モデルの計算を行った。その結果、電極配置として二極法配置、ウエンナー配置、ダイポール・ダイポール配置を比較すると、見掛比抵抗の変異の大きさは、ダイポール・ダイポール配置が最も大きく、土壌の比抵抗異常体を把握しやすいことがわかった。また印加周波数100kHz以下では比抵抗異常体の存在による位相差の変異はあまり大きくは現れず、位相情報を得るにはより高周波の電圧を印加する必要があることがわかった。 今後はこれらの理論考察に対応した電極配置を考えそれに伴う装置の改善を行うこと、さらにデータ収録の自動化を行い、短時間で測定ができるようにする必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 安久 正紘,寺町 康昌,山中 一雄,住谷 正夫: "ゆらぎ現象の工学的応用について" 応用物理. 61. 690-697 (1992)
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[Publications] 野口 康二,阿部 淳子,斉藤 章: "電磁誘導法のモデル実験(1)-実験装置の開発-" 物理探査. 45. 105-115 (1992)
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[Publications] 野口 康二,阿部 淳子,斉藤 章: "電磁誘導法のモデル実験(2)-構造の形状と電磁応答の関係-" 物理探査. 45. 293-302 (1992)
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[Publications] 岡本 良夫: "バイドメインモデルに基づく興奮伝播方程式の導出とその解法" 心電図.