1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04214110
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
奥島 基良 桐蔭学園横浜大学, 工学部・制御システム工学科, 教授 (80016766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 安孝 山形大学, 工学部, 助教授 (40171904)
蜂屋 弘之 千葉大学, 工学部, 助教授 (90156349)
本岡 誠一 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60083862)
杉本 恒美 桐蔭学園横浜大学, 工学部・制御システム工学科, 講師 (80257427)
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Keywords | 地中遺構 / 文化財構造物 / 遺跡探査 / 地中探査 / 音波探査 / 地中音響 / 超音波探査 / 超音波CT |
Research Abstract |
この研究班は、地中に埋もれている住居跡・古窯跡・墳墓のような埋蔵遺跡の探査を目的とした〔地中探査班〕(奥島、杉本、本岡、蜂屋)と、石柱・木柱・鳥居などの大型構造物の内部の非侵襲調査を目的とした〔構造物内部調査班〕(田村)とで構成されている。 〔地中探査〕昨年度に行った火山灰による埋蔵遺跡である群馬県子持村遺跡の探査実験において取得された測定データを解析した。また今年度は、宮城県一迫町の山王囲遺跡、壱岐の島原の辻遺跡、平城京跡東大構、及び奈良国立文化財研究所埋設物実験場で探査実験を行った。これらの探査実験で収集したデータを処理して、地下の断面映像を表示する映像構成アルゴリズムの開発を行った。このアルゴリズムを用いて、探査実験を行った各地の地下断面映像の作成を行った。その結果、これまでの発掘及びレーダ探査でほぼ埋没状況が判明している平城京跡東大溝については、レーダ探査による地下断面映像とほぼ一致した映像が得られ、音波探査が実用できる見通しが得られた。ただ、分解能がまだ不十分であり、分解能向上のための信号処理方式の開発が必要であることが判明した。現在、ディジタルフィルタによる信号処理方式の検討を行っている。 〔構造物内部調査〕昨年度までに奈良興福寺南円堂の木柱などの断面画を超音波CTの手法で描写できることを確認し、実用できる探査装置の試作を行ってきた。今年度は、データ収集システムの軽量化と、TOF(音波伝搬時間)データ収集が不可能な測定点の取り扱いを考慮した像再生アルゴリズムの改善、及び任意の柱断面形状に対応できるアルゴリズムの開発を行った。試作した計測システムを使用して、香川県高松市の四国民家博物館の重要文化財河野家住宅内の柱、小比賀家屋内の柱と梁などの探査実験を行った。その結果、TOFデータ収集が不可能な測定点の頻度が高い場合にも対応できるように、アルゴリズムを改良する必要のあることが判明した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 柿島慶之、弘中康雄、本岡誠一: "横波を用いた地中遺構の探査に関する研究" 日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 1059-1060 (1995)
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[Publications] 蜂屋弘之、天尾幸典: "遺跡探査のための伝搬音波解析法の検討" 日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 1063-1064 (1995)
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[Publications] 杉本恒美、斎藤浩樹、奥島基良: "土中の縦波及び横波の音速と減衰の測定" 日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 1065-1066 (1995)
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[Publications] 奥島基良、杉本恒美、斎藤浩樹: "地下映像化のための地中探査ソ-ナの開発-地下遺跡の音波探査-" 神奈川県産業技術総合研究所産学公交流研究. 158-159 (1995)
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[Publications] 天尾幸典、蜂屋弘之、他: "音波を用いた地下埋蔵遺跡の探査法の検討" 超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演予稿集. 47-48 (1995)
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[Publications] 杉本恒美、奥島基良: "反射散乱波の重合による地下映像の構成法" 超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演予稿集. 49-50 (1995)
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[Publications] 奥島基良、杉本恒美: "遺跡・遺構の音波探査のための地中映像化の研究" 『遺跡探査』第4回研究成果検討会議論文集. 169-174 (1996)
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[Publications] 本岡誠一: "宮城県一迫町の山王囲遺跡における音波探査実験例" 『遺跡探査』第4回研究成果検討会議論文集. 175-179 (1996)
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[Publications] 田村安孝、足立和成: "遺跡探査用超音波CT装置の試作と実験" 『遺跡探査』第4回研究成果検討会議論文集. 180-185 (1996)
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[Publications] 蜂屋弘之: "多経路伝搬音波を考慮した信号処理法の検討" 『遺跡探査』第4回研究成果検討会議論文集. 186-189 (1996)
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[Publications] 杉本恒美、斎藤浩樹、奥嶋基良: "反射散乱波の重合による地中映像の構成法" 日本音響学会春季研究発表会講演論文集. 624-923 (1996)
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[Publications] 蜂屋弘之、天尾幸典、他: "地下遺跡の音波探査における映像化法の検討" 日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 626-925 (1996)