遺跡探査パルスレーダ用アンテナの設計と埋設物のイメージング法に関する研究

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04214201
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 安達 三郎 東北大学, 工学部, 教授 (80005222)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 猪狩 和久 東北大学工学部, 教務職員 ; 宇野 亨 東北大学工学部, 助教授 (80176718) ; 澤谷 邦男 東北大学工学部, 助教授 (60108470)
• Keywords: レーダ / 電磁波 / FDTD法 / イメージング / アンテナ

Research Abstract

本研究は,遺跡探査用レーダの開発を目的とし,地中の石室,金属性遺物,遺溝等による電磁波の散乱機構の解明,及び地上で観測される電磁波の過渡応答からそれらをイメージングするための手法,の2つについて理論的・実験的に検討したものである.
1.地中埋物による電磁波の過渡散乱:任意形状の導体あるいは誘電体が地中に埋設され,地上に吸収体装荷キャビティ付きアンテナが置かれている場合の地中内の過渡電磁界,金属シールド・吸収体の影響等をFD-TD(有限差分-時間領域)法を用いて数値的に解析する手法を開発した.また,地上にダイポールアンテナあるいはループアンテナが置かれており,地中に円柱導体が埋設されている場合のアンテナによる過渡受信特性を解析するとともに,実験によってその妥当性を確認した.その結果,電磁波の散乱現象は概ねアンテナと埋設物の間の直達波とラテラル波によって説明できることがわかった.これは従来指摘されていなかった新しい知見である.2.埋設導体のイメージング:一様な誘電体中の埋設された導体を地上からアクティブにイメージングする手法を考案し,その有効性を多くの数値シミュレーション及び実験によって確認した.この方法は近似をほとんど含まない準厳密なバイスタティックイメージング法である.また,イメージに与える偏波の影響も検討し,偏波によって異なるイメージが得られることが分かった.さらに,地中埋設導体のおおよその形状を推定できることが分かった.本手法は2次元のイメージング法であるが,適当なアンテナを用いればこの方法が3次元イメージングに適用することができる.石室や遺溝などの誘電体埋設物のイメージング法を検討することが今後の課題である.

Research Products

• [Publications] 宇野 亨: "電磁波逆散乱問題ー媒質推定,形状同定ー" コンピュートロール(コロナ社). 39. 47-53 (1992)
• [Publications] Toru Uno: "Theoretical and Experimental Studies on Transient Scattering of Dipole Field From a Conducting Cylinder Buried in a Lossy Half-Space" Proc.URSI Int.Symp.EM Theory. 254-256 (1992)
• [Publications] Toru Uno: "Two-Dimensional Target Profiling by Electromagetic Backscattering" Proc.Int.Symp.Ant.Prop.4. 1237-1240 (1992)
• [Publications] Yiwei He: "Two-Dimensional Active Imaging of Conducting Objects Buried in a Dielectric Half-Space" Proc.Int.Symp.Ant.Prop.4. 1265-1268 (1992)
• [Publications] 前島 治: "地中レーダ用キャビティ付アンテナの2次元FDTD法解析" 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-92-100. 31-39 (1992)
• [Publications] 何 一偉: "誘電体に埋もれた金属導体の2次元アクティブ" 電子情報通信学会技術報告. SANE92-90. 187-193 (1992)
• [Publications] 前島 治: "2次元不均質媒質中の物体による円筒電磁波過渡散乱のFDTD法解析" 電子情報通信学会論文誌. J76-B-II. 138-141 (1993)
• [Publications] 宇野 亨: "ダイポール及びループアンテナによる地中埋設円筒導体からの過渡散乱受信特性" 電子情報通信学会春季大会講演論文集. 2. (1993)
• [Publications] 佐藤 俊哉: "地中埋設導体の2次元アクティブイメージングに対する偏波の影響" 電子情報通信学会春季大学講演論文集. 2. (1993)
• [Publications] Saburo Adachi: "One-dimensional Target Profiling by Electromagnetic Backscattering" J.Electromagetic Waves Applications,to be published. (1993)
• [Publications] 何 一偉: "FDTDを用いた地中埋設無限長導体による円筒波の過渡散乱解析" 電子情報通信学会論文誌,B-II. (1993)