1992 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性ポプチドの動的水和構造に関するおよび積分方程式理論に基づく研究
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04215214
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平田 文男 京都大学, 理学部, 助教授 (90218785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 洋右 京都大学, 理学部, 助教授 (30025407)
郷 信広 京都大学, 理学部, 教授 (50011549)
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Keywords | 蛋白質 / 動的水和構造 / 低振動モード / 活性化飛踊 / 水素結合ネットワーク / 原子充填構造 |
Research Abstract |
我々は平成2年度および3年度に採択された重点課題研究において溶液中における蛋白質の低振動モードの運動は拡散的であり、しかも、溶媒の影響を受けたポテンシャル表面内で活性化飛踊を伴っていることを明らかにした。本研究ではそのような蛋白質の運動と溶媒の運動の間の相関を明らかにする目的で先に得たメリチン-水系の分子動力学トラジェクトリに関して分子内、分子間水素結分ネットワークおよび原子充填構造の解析を行なった。 水素結合ネットワークおよび原子充填構造を解析するためには、原子接触距離および水素結合に関する定義が必要である。原子間距離rがr<kσ(σ:Linnard-Jones直径)なる条件を満たすとき、二つの原子は接触しているこ考える。kの値は動径分布関数から判断して水-水および水-蛋白質に対して1.2A、イオン-水およびイオン-蛋白質に対して1.1Aとした。水素結合の条件としては原子対が接触していると同時にそのエネルギーが-3.0Kcal/mol以下のものとした。 以上のようにして求めた原子充填構造および水素結合ネットワークに関する解析結果を図に示す。横軸にはメリチンのアミノ酸残基番号、縦軸には転移の前後におけるメリチン-水間(a)平均接触原子数の差(Δnpac)、および(b)平均水素結合数の差(ΔN_<HB>)を棒グラフで示してある。図(a)において転移の前後において接触原子数は大きくことなり、Δnpacは残基番号1から9および21から26では概ね正、10から20までは負となっている。これらはメリチンの第一主軸方向の運動の揺らぎが大きい所であり、10番目および20番目の残基はその揺らぎの節にあたるところである。このことからメリチンの揺らぎの水-メリチン間の原子充填構造強い相関があることがわかる。一方、図(b)ではΔn_<HB>めて小さく、メリチンの運動との相関もあまりはっきりしない。これはメリチンの転移がメリチン-水間水素結合を最大にしながら起きるからであろう。
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[Publications] A.Kitao,F.Hirata,N.Go: "The effect of Soloent on The Conformation and The Collectine Motions of Protein" 国際シンポジウムCAMSE'92(横浜).
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[Publications] S.Hayward,A.kitao,F.Hirata,N.Go: "The effect of Water on The Low Freguency Motions in BPTI" 国際シンポジウムCAMSE'92(横浜).