1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04218102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北森 俊行 東京大学, 工学部, 教授 (60010724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 馨 東京大学, 工学部, 助教授 (30010953)
須田 信英 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029410)
砂原 善文 岡山理科大学, 工学部, 教授 (70027746)
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Keywords | 自律分散システム / 構造と機能 / 自己組織化 / 機能獲得 / カオス現象 / 分散制御系 / 自己参照性 / 耐故障性 |
Research Abstract |
自律分散システムの概念構成,構築に向けて以下の知見を得た. 1)自律分散システムの概念構成:通常のシステムに対比して自律分散システムの構造と機能面から概念構成を行った.自己完結的かつ均質な個が,相互の干渉を通して秩序を形成し,環境に適応しているシステムととらえ,要素,作用,挙動,選別の4つの面から自律分散システムが明確に弁別できることを明らかにした. 2)自律分散システムの位置付け:多くの例から,物理的化学的過程,最適過程,プログラムによる過程,サブシステム間の制約的結合過程,サブシステム間の静的,動的結合による協調的過程,近隣組織や環境変化に基づくプログラムの切換えよる適応,協調過程を抽出した.完全にばらばらなサブシステムの集合から完全に組織化されたシステムにいたる系列を考え,その中に積極的な意味のある自律分散システムを位置付けた. 3)機能獲得と構造形成の自己組織化:外界からの物理的制約によって脳内表現を自己組織化し,予測し,それに対する教示的修正を受ける脳の認識モデル,基本動作と認識機能をもつロボットに目的だけを与えて試行錯誤的に行動様式を自己組織化させるモデル,設計図に当る構造情報を構成要素(個)に分散させ,個を場の中で自律的に行動させて全体を自己組織化させるモデルで,機能獲得や構造形成の自己組織化の可能性を示した. 4)フラクタル・カオス現象の解析:捕食者・被食者からなる個体群システムの安定な秩序を乱すカオス現象の出現機構の解明とそのフラクタルな領域境界のハウスドルフ次元での表現に成功した.またそカオス的挙動の安定化の方法について検討した. 5)分散ロバストサーボ系・分散適応制御系の特性解析:分散制御系を集中制御系と対比して特質を解明するとともに,構成法,安定化条件を明らかにした.また柔軟性,耐故障性と自己参照性の関係をも明らかにした.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 池田 建司・新 誠一・北森 俊行: "分散型ハイゲイン適応制御系の構成と安定解析" 計測自動制御学会論文集. 28. 555-563 (1992)
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[Publications] 北森 俊行: "自律分散的システムの分析とモデル化" 「自律分散システム」第3回全体講演会論文集. 43-46 (1993)
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[Publications] 池田 建司・新 誠一・北森 俊行: "多変数自律分散適応制御" 「自律分散システム」第3回全体講演会論文集. 9-12 (1993)
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[Publications] Yoshifumi Sunahara,et al.: "Harsdorff Dimension of Fractal Basin Boundaries of a Class of One-Dimensional Non-Linear Systems" Preprints of 12th IFAC Congress,Sydney. (1993)
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[Publications] 須田 信英・王 秋玲: "分散制御によるサーボ問題ー制御量と観測量が異なる場合ー" 計測自動制御学会論文集. 29. (1993)
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[Publications] 森田 昌彦・吉沢 修治・中野 馨: "非単調ダイナミックスを用いた構造をもつパターンの連想記憶" 電子情報通信学会論文誌. J75-D-II. 1884-1891 (1992)