1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04218105
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 正美 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 敏隆 京都大学, 理学部, 教授 (70014892)
北森 俊行 東京大学, 工学部, 教授 (60010724)
北村 新三 神戸大学, 工学部, 教授 (80029131)
梅谷 陽二 東京工業大学, 工学部, 教授 (20013120)
須田 信英 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029410)
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Keywords | 自律分散 / 協調 / 自己組織化 / 秩序生成 / 通信機能 / 情報処理機能 / 制御機能 / 生物システム |
Research Abstract |
自律分散システムとは、システムを構成する各要素が個々に自律性を保ちつつ行動しながらお互いに協調し、システム全体として秩序を生成するシステムのことである。本重点領域研究は、生物学、物理学、システム・制御・情報工学分野の研究者が学際的に協立し、(A)生物システムにおける自律分散機構を解明し、(B)自律分散システムに必要な機能(通信・情報処理・制御)を分析し、(C)これらの知見をもとに自律分散システムの理論を構築しようとするものである。本研究は、主に8つの計画研究班によって研究を推進しているが、本総括班では、各研究班の研究状況の把握と研究交流の促進を行い、その成果をふまえて「自律分散」の基本概念・理論の統一を図ることを主たる任務としている。本年度は、この任務を達成するため、総括班会議を4回、講演・討論会、全体講演会、全体会合、計画研究班代表発表会をそれぞれ1回を開催した。これらの成果は、中間成果概要、研究状況報告書、全体講演会論文集、Newsletter(4冊)などとして刊行された。本年度の研究成果の概要は次のようである。1.自律分散システム構成のための基本的要件に対して共通の認識が得られ、自律分散システムの特徴が明かにされた。2.人工の自律分散システムを構築するための手がかりとなる研究が様々な立場で行われ、種々のモデルが提案された。3.自律分散システムの理論構築を目指して、非線形ダイナミックス、ニューラルネット、遺伝アルゴリズム、セルオートマトン、ペトリネット、分散人工知能、プロトコル理論などの方法論が検討され、理論構築の可能性が示めされた。4.自律分散システムの機構解明の中心的課題である、自己組織化機能、適応・学習機能の解明に対して多くの知見が得られた。5.多方面で「自律分散システム」という言葉が使われるようになり、我々の意図が着実に浸透しつつある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 戸川 達男: "生物システムにおける素材の特徴" システム/制御/情報. 36. 215-219 (1992)
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[Publications] 伊藤 正美: "システム制御における「自律分散」" 電気学会雑誌. 112. 613-620 (1992)
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[Publications] 戸川 達男: "生体における暗黙の群知能" 計測と制御. 31. 1190-1193 (1992)
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[Publications] 小林 重信: "遺伝的アルゴリズムの現状と課題" 計測と制御. 32. 2-9 (1993)
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[Publications] K.Onaga: "Design of a Dynamic Mutual Exclusion Algorithm for a Distributed Network of Autonomous Nodes" IEICE Transaction on Fundamentals. E76-A. (1993)
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[Publications] 北森 俊行: "自律分散的システムの分析とモデル化" 「自律分散」全体講演会論文集. 3. 43-46 (1993)