1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04220224
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北川 勲 大阪大学, 薬学部, 教授 (20028830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 資正 大阪大学, 薬学部, 助教授 (40116033)
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Keywords | 生体膜 / 複合糖脂質 / スフィンゴ糖脂質 / イオノホア活性 / イオン補足能 / イオン輸送能 / 生体膜イオン透過能 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
スフィンゴ糖脂質およびグリセロ糖脂質などの複合糖脂質の多くは、生体膜の構成成分であるとともに、細胞膜の物性や機能と密接に関係していると考えられているが、その生生理的機能については末だ不明な点が多い。また、これらの複合糖脂質類は、天然からは微量にしか得られず、通常それらの構成脂肪酸組成は単一でなく、かつそれらのアナログの分離が困難である。本研究は、共通の光学活性合成素子を経由した脂肪酸組成の単一なスフィンゴ糖脂質およびグリセロ糖脂質の一般性の高い合成法の開発を行なう。また、われわれが独自に考案した人工膜やヒト赤血球膜を用したイオノホア活性試験法により、本合成研究で得られる種々の複合脂質関連化合物 および天然複合糖脂質の化学構造と、イオン輸送に関わる生体膜機能活性との相関性を明らかにすることを目的としている。 平成4年度に以下に示す研究成果を得た。 1大豆から分離構造解明したスフィンゴ糖脂質ソヤセレブロシドIIが、われわれが独自に考案した人工膜およびヒト赤血球膜を用いたイオノホア活性試験法において、カルシウムイオンに対してイオン補捉能および赤血球膜内カルシウム濃度上昇作用を示したことから、化学構造と活性の相関を検討する目的で、光学活性C4-エポキシドを合成素子とする複合糖脂質合成法を応用して5種のアナログを合成した。2合成した5種のソヤセレブロシドIIアナログのカルシウムイオンノホア活性を調べ、活性発現に重要な要素を解析した。3ソヤセレブロシドIIのエナンチオマーを合成してそのイオノホア活性を調べた結果、ヒト赤血球膜法におけるカルシウムイオン透過能が、両エナンチオマーを完全に識別することを明らかにした。
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[Publications] H.Shibuya: "Synthese of pairs of enantiomeric C18-sphingosines and a palmitoyl analogue of Gaucher spleen Glucocerebroside" Chem.Pharm.Bull.,. 40. 1154-1165 (1992)
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[Publications] H.Shibuya: "Syntheses of a glycerophospholipid, C16-platelet activatingfactor and a palmitoyl analogue of M-5, an antiinflammatory glyceroglycolipid" Chem.Pharm.Bull.,. 40. 1166-1169 (1992)
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[Publications] H.Shibuya: "Syntheses and inophoretic activities of several analogues of soya-cerebroside II, a calcium ionophoretic sphingoglycolipid isolates from soybean" Chem.Pharm.Bull.,. 40. (1992)