1992 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム結合蛋白質の金属配位構造の安定性とその動的構造変化
Project/Area Number |
04225201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
矢沢 道生 北海道大学, 理学部, 助教授 (50101134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平沖 敏文 北海道大学, 工学部, 助教授 (10125346)
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Keywords | カルシウムイオン / カルシウム結合蛋白質 / カルモデュリン / 蛋白質工学 |
Research Abstract |
カルモデュリンは、細胞内情報伝達にかかわるカルシウム結合蛋白質の代表的なものであり、細胞外からの刺激で細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇すると4モルのカルシウムイオンと結合してその高次構造を変え、多くの種類の標的酵素を活性化する。この研究の目的は、カルモデュリンの酵素活性化機構を明きらかにすることである。この目的のために、遺伝子工学的な手法でカルモデュリンの変異体蛋白質をつくり、カルモデュリンがカルシウムイオンを結合してから酵素の活性化に至る過程と、そのときの動的な構造変化を追跡して検討するという手段をとった。平成4年度は、平成3年度の成果を基礎にして、4モルのカルシウムを結合することができる酵母カルモデュリン変異体蛋白質の作製に成功した。146残基からなるパン酵母カルモデュリンの第4番目のカルシウム結合サイトはカルシウムイオンを結合できないので、標的酵素活性化能力は低い。この第4サイト内の3つの位置のアミノ酸残基について以下の様に変異を加えた。(1)129番目のセリンをアスパラギン酸に置換、(2)欠如している130番目の位置にイソロイシンを挿入する、(3)140番目のグルタミンをグルタミン酸に置換する。この結果得られた変異カルモデュリンYCMDは、脊椎動物カルモデュリンと同様に4モルのカルシウムイオンを結合することができた。YCMDは、標的酵素の1つホスホジエステラーゼに対しては脊椎動物カルモデュリンと同レベルに近い活性化能力を示したが、ミオシン軽鎖キナーゼに対する活性化は改善されず、酵母カルモデュリンと同程度の活性化能力しか示さなかった。平成3年度に作製した、脊椎動物カルモデュリンと酵母カルモデュリンのキメラ蛋白質C4Y140Eは、YCMDと同じく3つの変異を加えることにより両標的酵素を脊椎動物カルモデュリンと同レベルに活性化できる。両者の高次構造の比較をNMR法で継続している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Ohki,U.Iwamoto,S.Aimoto,M.Yazawa,K.Hikichi: "Mg^<2+> Inhibits Formation of 4Ca^<2+>-Calmodulin-Enzyme at 6ower Ca^<2+> Concentration: ^1H-and ^<113>Cd NMR Studies" J.Biol.Chem.
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[Publications] H.Toda,M.Yazawa,K.Yagi: "Amino Acid Seauznce of Calmodulin from Euglena grucilis" Eur.J.Biochem.205. 653-660 (1992)
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[Publications] M.Yazawa,T.Vorherr,P,James,E.Carafoli,K.Yagi: "Binding of Calcium by Calmodulin:Influence of the Calmodulin Binding Domain of the Plasma Membrane Calcium Pump" Biochemistry. 31. 3171-3176 (1992)