1992 Fiscal Year Annual Research Report
ポリペプチド鎖を反応場とする金属ポルフィリンの光誘起電子移動反応
Project/Area Number |
04225209
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 一郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (90089821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 重利 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60183729)
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Keywords | 光誘超電子移動反応 / レーザーフラッシュフォトリシス / 亜鉛ミオグロビン |
Research Abstract |
本研究ではミオグロビン中のヘムを亜鉛プロトポルフィリンで置換した亜鉛ミオグロビンを無水コハク酸で化学修飾した修飾亜鉛ミオグロビンを調製し、これを用いた光誘起電子移動反応を行った。無水コハク酸によるミオグロビンの化学修飾の結果、修飾部位が異なると考えられる四種類の修飾亜酸ミオグロビンが得られた。これら四種の修飾亜鉛ミオグロビンの吸収スペクトルは未修飾のものとほとんど同じであることから、化学修飾によるタンパク質のコンフォメーション変化はほとんど起こっていないことが分かった。無水コハク酸により修飾されたアミノ酸残基の数をアミノ基の比色定量法により推定した結果、いずれの修飾亜鉛ミオグロビンにおいても修飾されたアミノ酸残基は一残基であることが分かった。 本研究で得られた修飾亜鉛ミオグロビンとメチルビオローゲンからなる反応溶液にレーザー光を照射すると、いずれの修飾亜鉛ミオグロビンを用いた場合にも光誘起電子移動反応が進行した。本反応の反応速度定数は、いずれの修飾亜鉛ミオグロビンを用いた場合にも未修飾の亜鉛ミオグロビンを用いた場合より大きな値となった。これは、無水コハク酸を用いた化学修飾によりミオグロビンの負電荷が増加し、メチルビオローゲンと亜鉛ミオグロビン間の静電的相互作用が増大したためであると考えられる。また、修飾部位の違いにより光誘起電子移動反応速度が変化したことから、ミオグロビン上の局所的な電荷の違いが反応速度に大きな影響を及ぼすことが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大倉 一郎: "Photoinduced intramolecular electron transfer in viologen-linked zinc porphyrins in acetonitrile" Inorg.Chim.Acta. 201. 11-13 (1992)
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[Publications] 大倉 一郎: "Photoinduced intramolecular electron transfer in viologen-linked zinc porphyrins in dimethyl sulfoxide" J.Phys.Chem.96. 4466-4469 (1992)
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[Publications] 西坂 剛: "Photodynamic therapy by porphyrin oligomer as tumor localizer" Lasers in the Life Science. 4. 87-92 (1991)