1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04225216
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
甲斐 泰 大阪大学, 工学部, 助教授 (40029236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 繁春 大阪大学, 工学部, 助手 (80156504)
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Keywords | 金属蛋白質 / 金属酵素 / 結晶構造 / 銅蛋白質 / 結晶化 / 構造解析ラボシステム / アズリン / シュードアズリン |
Research Abstract |
生体内での酵素触媒反応や電子移動には、金属が極めて重要な役割を果している。蛋白質を構成するアミノ酸の多くは金属と結合することができるので、アミノ酸と金属の組合せによって非常に多くの配位環境が金属のまわりに形成されるが、機能発現の条件下ではその環境が多彩かつ動的に変化すると考えられる。本研究では、生体内で最も重要な役割を果たす金属の一つである銅に注目し、一核銅蛋白質であるシュードアズリン、アズリン、アミシアニン及び複核銅蛋白質であるアスコルビン酸酸化酵素、亜硝酸遷元酵素の結晶構造解析を行い、銅の配位環境をできるだけ精密に沢定することによって、銅が果たす生体内機能の構造相関を、原子のレベルで明らかにすることを目的としている。 Methylobacterium extorguens AMIから抽出されたシュードアズリンの1.5^O_A分解能での精密化を行った。蛋白質由来の937個の原子に銅原子1個、結晶水148個を含め、分解能8〜1.5^O_Aの独立な反射15,799個を用いて、最終のR値は21.6%である。得られた構造は、関連のブルー銅蛋白質と類似の構造であり、9本のβ-ストランドから成る2枚のβ-サンドイッチ構造をとっている。銅原子は分子表面近くに存在し、疎水性残基によってとり囲まれている。また銅原子と反対側の極に酸性アミノ酸残基が多く集まっており、この間を若香族アミノ酸残基が並び両極を結ぶような配置をとっている。現在治性中心の構造について詳細な検討を行っている。 脱窒菌A.xylosoxidans NCIB11015から精製したpズリンについても、10〜2.5^O_A分解能データを用いて精密化し、R値が22.2%となった。現在最終段階の精密化を進めている。 ワークステーションを用いた構造解析ラボシステムの構築を進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K. Kondo: "Crystal Struchure of Thermally Stable Non-linear Benzarbituric Acid Derivatives" Chem.Phys.Lett.188. 282-286 (1992)
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[Publications] T. Sugimoto: "Biradical Character of a Closed-Shell Heteroaromatic" J.Am.Chem.Soc.114. 1893-1895 (1992)
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[Publications] M.Yasui: "Three-dimensional Structure of Ferricytochrome c'from Rhodospirillum rubrum at 2.8A Resolution" J.Biochem.111. 317-324 (1992)
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[Publications] N.Kanehisa: "Unique Molecular Structures of Tungsten Phenoxides" Bull.Chem.Soc.Jpn.65. 1197-1201 (1992)
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[Publications] T.Sugimoto: "Nagnetic Properties in Charge-Transfer Complexis of High-Symmetry Organic Acceptors" Mat.Res.Soc.Symp. Proc.247. 417-428 (1992)