1992 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光EXAFSによる成長初期過程のその場測定と界面構造の解析
Project/Area Number |
04227106
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹田 美和 名古屋大学, 工学部, 教授 (20111932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 雅夫 名古屋大学, 工学部, 助手
大柳 宏之 電子技術総合研究所, 電子基礎部, 室長
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Keywords | 蛍光EXAFS / 成長初期過程 / 原子レベル / 1原子層 / InPAs / 界面構造 / 表面置換 / 結合長 |
Research Abstract |
高エネルギー物理学研究所・放射光実験施設の超高真空ビームラインへの蛍光EXAFS装置とMBE成長装置の接続は、Si/Ge用MBEについて予備実験を行い、化合物半導体用MBE装置は、真空引きおよび基板加熱装置をテストを終わり、RHEEDとLEEDによる独立の実験および測定を行って居るところである。これらの接続はビームライン13番で行われる。ビームライン13番では、ビーム強度を1桁上げ、検出器のカバーする立体角を7倍する。このことにより、さらに希薄な不純物ならびに1原子層以下の超薄膜を測定するための蛍光EXAFSが立ち上がり、これによる1分子層ヘテロ構造ならびに不純物周辺の局所構造の測定に成功している。 本年度は、成長初期過程のEXAFS測定の前提となる1原子層(さらには1原子層以下)のみを有するウエファにおける測定を目標に実験を行った。試料としては、InPに挟まれた1原子層のInP_xAs_<1-x>で組成を変化させたものを用意した。測定と解析により明かにされたAs-In結合長は、非線形の組成依存性を示し、組成0.5で規則配列と考えられるピーク値を示した。成長時の自由表面における原子配列がInPキャップ層によって凍結されたと考えている。原子層成長ではヘテロ界面での原子置換が界面急峻性の最終決定要因となる。OMVPE成長におけるInP成長層表面のP原子と気相のAs原子との置換を蛍光EXAFSによって検出した。置換時間を0.5秒-8秒と変化させたが、初期に短時間の置換とその飽和、続いて1原子層への変化が見いだされた。置換As量を、厚さ測定とAs絶対量の測定の両面から決定し、置換現象=成長初期過程を定量的に明らかにする手筈が整いつつある。
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[Publications] Y.Kuwahara,H.Oyangai,Y.Takeda,H.Yamaguchi: "Bond length relaxation in ultrathin Ga_xIn_<1-x>P and InP_xAs_<1-x> layers on InP(100)" Appl.Sur.Sci.60/61. 529-533 (1992)
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[Publications] Y.Kuwahara,H.Oyanagi,Y.Takeda,H.Yamaguchi: "Bond length relaxation in ultrathin In_<0.4>As_<0.6> layers on InP(100)" Inst.Phys.Conf.Ser.(1993)
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[Publications] 竹田 美和: "超精密生産技術体系(分担執筆)" フジ・テクノシステム, 800 (1993)