1992 Fiscal Year Annual Research Report
超音速分子線を用いた半導体表面反応ダイナミックスの分子論的解明
Project/Area Number |
04227219
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
並木 章 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40126941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ハウシュブルック フラン 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (00240812)
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Keywords | 超音速分子線 / アルカリ促進作用 / 吸着確率 / シリコン表面 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、結晶成長反応の試験的な系として、Ge(100)及びSi(100)上のアルカリ原子と、O_2の反応を分子線技法にて調べる事である。とりわけ、直接的解離吸着反応と物理吸着拡散反応の断面積を評価する事である。清浄表面にCsを吸着させ、エネルギーEiが0.30eVと0.09eVの2種類のO_2ビームを照射し、散乱してくるO_2を四重極質量分析計で測定した。散乱収量はO_2ビームのドーズと共に増大し、やがて飽和した。飽和した時の散乱強度を基準して、各ドーズでの吸着確率Sを求めた。照射初期の吸着確率SoをCsの被覆率の函数としてGe及びSi表面に対して実験を行った。その結果、Ge(100)表面でのSoはSi(100)でのSoよりも各Cs被覆率に於て大きくなった。又、更に、入射エネルギーが0.09eVと小さくなる事によりGe(100)ではSoは大きくなった。入射エネルギーが低下すると、物理吸着確率が大きくなるが、この事実をもとにすると、Ge表面では、物理吸着を経る事によりCsによる吸着促進作用が増大することが言える。そこで、反応断面積を評価する為に、指数函数的に減衰するSのドーズ変化のシュミレーションを行った。その結果、直接的に反応する断面積は約27A^2、表面拡徒を供う断面積は60A^2が得られた。この様な評価は、本研究が初めてである。更に同じ様な評価をSi(100)でも試みた。Si(100)では、拡散によっては、吸着Csとは反応できないことが判明した。Ge(100)とSi(100)のこの違いは、Ge-Ge間結合エネルギーがSi-Si間結合エネルギーよりも小さいということに由来している。この様な研究手法により、近い将来、吸着GaとAs_2分子の反応断面積の評価を行って行く予定である。
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[Publications] A.Namiki et al.: "A molecular beam study of alkali promotion of NO sticking on Si(100):Local promotion in a single collesion regime" Journal of Chemical Phycics. 97巻. 3781-3793 (1992)
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[Publications] A.Namiki et.al.: "Dynamical study of alkali promotion of NO sticking on Si(100)" Surface Science. 283巻. 9-20 (1993)