1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04229107
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
波多野 誼余夫 獨協大学, 教養部, 教授 (60049575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 惠子 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (00050782)
亀田 弘之 東京工科大学, 工学部, 助教授 (00194994)
無藤 隆 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (40111562)
杉原 厚吉 東京大学, 工学部, 教授 (40144117)
堀 浩一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (40173611)
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Keywords | 概念形成 / 知識獲得 / 発想支援 / パターン概念の獲得 / 素朴理論 / 概念化 / 未知語の意味推定 |
Research Abstract |
1.昨年度までに構築された、言語的情報を自動的に空間的に構造化して表示するシステムを自動車のニューモデルの構想など実際に用いて、その有効性を確認するとともに、その促進効果の分析から人間の概念形成などの特性を検討した(堀)。2.一群の対象図形を基本的図形要素とその組み合わせとしてとらえる「図形要素自動抽出法」をさまざまな図形群に適用して得られた知見から、人間の図形概念形成の計算論的モデルを作り、かつ特定の実験場面での反応を予測することを試みた。人間にとっては多面体の正しい投影図と正しくない投影図を識別することは概して因難であったが、個体差、材料差が大きい。3.素朴理論の形成および改定についての実験とモデル化を行った。ある対象に関する素朴概念は、最初はそれに対する行為に埋め込まれているが、次第に対象の持つ属性や活動性という形で概念化され、さらに局所的知識の蓄積や改定をへて再構造化される(波多野)また社会的事象に関する素朴理論は、当初は手順のルーチンとして概念化されるが、上記と同様な知識の書き換えや組替えにより活動の目標や機能という観点からより柔軟な形に定式化されるようになる(無藤)。4.未知の漢字熟語の意味推定に関して人間を被験体とする認知心理学的実験を行い、どのような知識がどのように利用されているか明かにするとともに、その知見を利用して人工知能のシステムを構築する、という共同研究を進めた。漢字熟語の意味推定に個々の漢字の持つ原型的意味やその結合規則を利用することはもちろんであるが、人間とくに熟達した読み手の場合には、これらに加えて、既知の熟語からの類推や文脈的情報の利用が重要な役割を果たしていることが明らかになったため、これを機械的処理に組込むことを試みつつある(小嶋、亀田)。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 波多野 誼余夫,小嶋 惠子: "未知複合語の意味推定と心内辞書登録" 電子情報通信学会第二種研究会資料. LK92-10. 1-8 (1992)
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[Publications] 馬塚 れい子・伊藤 憲治: "日本語のガーデンパス文:文理解過程における文法知識の獲得と運用" 電子情報通信学会「言語と知識の獲得・運用」研究会資料. LK92-5. 1-7 (1992)
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[Publications] K.Sugihara: "An intersection algorithm based on Delaunay triangulation" IEEE Computer Graphics and Applications. 12. 59-67 (1992)
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[Publications] K.Sugihara and M.Iri: "Construction of the Voronoi diagram for ¨one million¨ generators in single-precision arithmetic" Proceedings of the IEEE. 80. 1471-1484 (1992)
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[Publications] 無藤 隆・秋田 喜代美・藤岡 真貴子: "読み書きに対する幼児とその母親の認識の検討" 日本発達心理学会第4回大会発表論文集. (1993)
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[Publications] 秋田 喜代美・無藤 隆・藤岡 真貴子: "幼児の読書意義に対する認識ー勉強・マンガ・TVゲームとの比較検討ー" 日本発達心理学会第4回大会発表論文集. (1993)
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[Publications] 小嶋 惠子: "未知語の意味推定における既有知識の利用" 日本心理学会第56回大会発表論文集. 822 (1992)
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[Publications] 水野 節子・藤崎 博也: "幼児におけるコミュニケーションの成立と概念獲得の過程" 日本心理学会第56回大会発表論文集,発達10-1. 88 (1992)
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[Publications] 亀田 弘之: "未知語処理機能を持つ自然言語処理システムにおける語処理の効率について" 電子情報通信学会第二種研究会資料. LK92-11. 1-7 (1992)
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[Publications] H.Kameda: "A processing method of class-2 unknown Japanese compound words of two components with use of in-word grammar and its prototype system implementation" IEEE Region 10 Conference,Tencon 92. 710-714 (1992)
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[Publications] A.Okabe,B.Boots and K.Sugihara: "Spatial TessellationsーConcepts and Applications of Voronoi Diagrams" John Wiley & Sons,Inc., 532 (1992)
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[Publications] 杉原 厚吉: "不可能物体の数理" 森北出版株式会社, 179 (1993)