1992 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェント環境と知識獲得プロセスに関する研究
Project/Area Number |
04229205
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山口 高平 静岡大学, 工学部, 助教授 (20174617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 尚 静岡大学, 工学部, 助教授 (90201201)
|
Keywords | マルチエージェント / 知識獲得 / 分散協調 / エキスパートシステム / ルールインダクション / ルール洗練化 / 電力系統作業停電計画 / 株式市場分析 |
Research Abstract |
近年,実用レベルのエキスパートシステム(ES)が数多く開発されるようになったが,複数の専門家から部分的な知識を獲得し,それらを統合するESの分散協調型の開発環境については,ほとんど考察されていない.本研究では,マルチエージェント環境の枠組みに基づき,分散協調型ESの構成法,並びに,その構成法において重要な役割を果たすルール学習方式を検討することを目的とする. 最初の課題について,本年度は,個々の専門家の専門知識を反映したESをエージェントを捉え,エージェント間の協調プロセスを通して,全体のタスク構造を獲得する方法論を検討した.まず,エージェント間の協調プロトコルを以下のように定めた.(1)タスクアナウンスメント(TA)にルール適用履歴を対し,他のエージェントに送る.(2)TAを受けとったエージェントはTAアナライザにより,未適用ルールを自分が所持する場合はビッド(BD),そうでない場合はアンチビッド(ABD)を返す.(3)すべてのエージェントからBDorABDを受け取ったエージェントは,BDアナライザにより問題を依頼するエージェントを決定しアワードを送る.また,エージェントの連結の度合いを表す結合度を問題解決の成功と失敗に応じて増減させ,最終的に,問題解決に成功してきた協調パスの結合度が増加したこの結果をタスク構造として学習する分散協調型ESの構成法を考察した. 一方,ルール学習方式の検討については,ルールインダクションとルール洗練化機構の統合法について考察し,ルールが適用されるべき状況をルールインダクションが見い出し,その状況内でルールを洗練化していく枠組みを実装し,株式市場分析の題材において,市場環境が似ている状況では,かなり旨く働くことを確認した.
|
-
[Publications] T.Yamaguchi and M.Kurematsu:"A Framework for Knowledge Acquisition through Cooperation between Case Based Reasoning and Model Inference" Proc.of Pacific Rim International Conference on Artificial Intelligence '92. 1. 659-665 (1992)
-
[Publications] 山口 高平: "機械学習と株式市場分析Iーテクニカル分析ルールの洗練化ー" システム制御情報学会誌. 36. 607-609 (1992)
-
[Publications] 山口 高平: "機械学習と株式市場分析IIーアノマリの発見を目指してー" システム制御情報学会誌. 36. 691-693 (1992)
-
[Publications] T.Yamaguchi and Y.Tachibana: "Unifying Rule Induction and Rule Refinement-Towards Discovering Anomaly from Granville's Law in a Stock Market Techinal Analysis" Proc.of 1993 Koreal/Japan Joint Conference on Expert Systems. 1. 209-226 (1993)