1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04231210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
氷上 忍 東京大学, 教養学部, 助教授 (30093298)
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Keywords | アブリコソフ格子 / ランダム表面 / ゲージグラス |
Research Abstract |
アブリコソフ渦糸格子の自由エネルギーを二次元,三次元の場合に,ギンツブルグ・ランダウ模型の結合定数gに関して高次摂動計算した。特にランダムポテンシャルの影響を調べる為に,ランダムポテンシャル及びランダム表面上での相転移・イジング模型及びパーコレーション模型を研究し,超伝導の液滴間のトンネル効果及び磁束液体とスピングラス糸との類似を調べた。ランダム表面上でのパーコレーションはアプリコソフ渦糸格子融解と不純物が強い場合に関係するが,この問題は二次元重力と物質(イジングスピン等)の結合した臨界現象の問題に帰着出来る。従って,この問題をワークステーションを使って数値計算し,相転移の次数及び臨界指数の値を数値的に求めることが出来た。摂動の次数は8次まで求め,ファイマンダイアグラムはランダム表面を実現する,NXNのエルミート行列でN→∞の極限を考察した。一般的に,中心電荷Cの値を変えて,臨界指数がどの様に変化するのか調べた。C=1を境にして,臨界指数は異なる様子を示し,特にC=3の時に,三次元イジング模型(ランダム表面上でなく,通常の格子上で定義される)の臨界指数とよく似た臨界指数(特に比熱の臨界指数)が得られ,新しい発展が見られた。また磁場がある場合のスケーリング則による臨界指数も数値的に計算した。アブリコソフ渦糸格子の不純物がある場合の融解は渦糸グラスの相転移として見ることが出来るが,別にゲージグラスの問題とも共通したものがある。格子ゲージ理論でのN→∞での極限はその意味で重要であるが,これも二次元重力と物質が結合した糸の問的とも一到する部分があり,更に本研究を進める必要がある。数値計算は多くの計算時間を必要とし,臨界指数の値を精度よく求めるには更に次数を上げる必要があるが,モンテカルロ法と比べ,この方法は精度の点で利点がある所が判明した。
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[Publications] E.Bre^^'zin,S.Hikami: "A naive matrix-model approach to 2D quantum gravity coupled to matter of arbitrary central charge" Physics Letters. B283. 203-208 (1992)
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[Publications] S.Hikami,E.Bre^^'zin: "Perturbative analysis of a n-Ising model on a random surface" Physics Letters. B295. 209-213 (1992)