1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04233107
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
齋藤 修二 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (30106158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 智 名古屋大学, 理学部, 助手 (80182624)
春日 隆 法政大学, 工学部, 教授 (70126027)
谷本 光敏 静岡大学, 理学部, 教授 (40207197)
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Keywords | マイクロ波分光 / サブミリ波分光 / フーリエ変換 / 星間分子 / 短寿命分子 |
Research Abstract |
1.高感度サブミリ波分光法の開発 分光法の実効的な感度を向上させる一つの方法として、分子の遷移強度が大きくなるサブミリ波帯での感度の向上が考えられる。しかし、従来この領域には高分解能分光に適した良い光源がなかった。〜1000GHzまでのサブミリ波分光法を確立させるために、後進行波管の出力の2〜3倍を光源とする分光器を予定していたが、既設のカルシノトロンを試験した結果、動作不良であることが判明した。代案として、既設の4倍周波器と高周波数クライストロンとの組み合せにより、500GHz以上のサブミリ波領域の分光を試みた結果、〜600GHzまで高分解能分光が可能であることを明らかにできた。これを用いて、2、3の短寿命分子の分光をおこなった。(1)ND( ^3i^-)ラジカルのN=1-0の3成分を496-546GHzで検出、測定した。(2)PH、PD( ^3i^-)ラジカルのN=1-0,2-1のスペクトルを423-553GHzで検出、測定した。それぞれに星間分子の候補となる分子であり、サブミリ波望遠鏡による控査に役立つと考える。 2.フーリエ変種マイクロ波分光器の開発 周波数の低いセンチ波領域においては、分子の遷移強度が小さく、これまでのこの領域の実効的な感度はあまり高くなかった。測定する周波数帯を高出力のパルスでカバーするフーリエ変換型分光器は、吸収セルとしてQ値の高い共振器を用いることもあり、ミリ波帯マイクロ波分光器の感度に匹敵する高感度が得られている。本研究では、炭素鎖分子など、比較的重い分子の遷移強度がセンチ波帯で最大になり、ミリ波、サブミリ波帯での検出、分光が困難になることに留意し、この領域用のフーリエ変換分光器の開発をおこなった。本年度は20GHzまでのフーリエ変換分光器を組立て、その調整をおこなった。短寿命分子生成用のズキシマーレーザーも導入し、試験をおこなっている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Saito: "Laboratory Submllimeter-Wave Observation of the N=1-0 Transition of the ND( ^3Σ^-) Radical" Astrophysical Journal. (1993)
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[Publications] T.C.Steimle: "Laboratory Measurement of the Millimeter Wave Spectra of Calcium Isocyanide;CaNC" Astrophysical Journal. (1993)
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[Publications] K.Kawaguchi: "Laboratory Spectroscopy of MgMC:the First Astronomical Identification of Mg-Bearing Molecule" Astrophysical Journal. (1993)
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[Publications] S.Takano: "Silicone Chemistry in the Outer Envelope of IRC+10216.The detailed Distribution of SiC_2" Publication of the Astronomical Society of Jap.44. 469-480 (1992)
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[Publications] S.Yamamoto: "SiO in Barnard 1" Publication of the Astronomical Society of Jap.44. 459-467 (1992)
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[Publications] H.Mikami: "Detection of SiO Emission in the L1157 Dark Cloud" Astrophysical Journal. 392. L87-L90 (1992)