1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04233219
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
海部 宣男 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 教授 (50011630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 雅樹 鹿児島大学, 教養部, 教授 (80012805)
宮地 竹史 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助手 (50025293)
宮澤 敬輔 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教授 (10134628)
大石 雅寿 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (00183757)
川口 建太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40158861)
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Keywords | 宇宙電波分光学 / 星間分子 / 電波分光学 / 暗黒星雲 / 宇宙化学 / 分子の総合探査 |
Research Abstract |
野辺山観測所の45m望遠鏡に超広波長域をカバーする電波分光システムを整備し、おうし座暗黒星雲TMC1について、分子スペクトル線の無バイアス検出を目指す全周波数探査を行い、星間分子雲の化学組成を総合的に明らかにすることが本研究の目的である。平成4年度に完成した32,000チャネル高分散分光系によるTMC1の分子探査は昨年度よりスタートし、今年度28-50GHzの探査が終了した。この周波数域では、高分散データは従来の広帯域データに比べスペクトル線強度が3倍強となり、広帯域データに比べると、期待通りにスペクトル線の検出数が増大した。最も高感度化が期待される残りの8.8-28GHzについても観測はほぼ終了し、現在一次解析を進めている。 平成4年度に完了した周波数分解能250KHzの広帯域分光計による8.8-50GHzの分子線探査データ(総計33万チャネル)については、解析を終了した。広帯域データで検出された32分子(うち9分子が、本探査を通じて新たに発見されたもの)について、その励起温度と存在量の算出し、TMC1における分子の総合的組成を得た。また特に多数のスペクトル線系列が得られた分子については、信頼性の高い励起温度が決定されたが、それによれば、HC_5N,HC_7N,HC_9Nのいわゆる直線炭素鎖シアノアセチレン系列分子において有意に高い8-9Kの励起温度が得られたのに対し、同じ直線炭素鎖分子のC_4H,C_6H,CCCSでは通常の励起温度である5-6Kが得られたことなどが注目される。 これらの結果と新しい高分散データを併用して精密な分析・検討を行い、来年度のまとめの期間中に発表する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Ohishi: "Detection of a New Interstellar Molecule H_2CN" Astrophys.J.Letters. 427. L51-L54 (1994)
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[Publications] M.Ohishi: "The Detection and Mapping Observations of C_2H_5OH in Orion KL" Astrophys.J.Letters. (in press). (1995)
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[Publications] S.Fukasaku: "Observations of Molecular Envelopes of Late-type Stars:CRL 618,CRL 2688,CRL 3068,and CIT64" Astrophysical Journal. 473. 410-418 (1994)
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[Publications] E.Kagi: "Fourier Transform Infrared Spectroscopy of the A^1II-X^1Σ^+ System of MgO" J.Mol.Spectrosc.168. 109-125 (1994)
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[Publications] M.Morimoto: "Radio Astronomy" Reports on Astronomy. 22A. 447-457 (1994)