1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04236105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長尾 真 京都大学, 工学部, 教授 (30025960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 四郎 北海道大学, 文学部, 教授 (70000586)
小川 英光 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016630)
豊田 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
国井 利泰 東京大学, 理学部, 教授 (50013743)
堂下 修司 京都大学, 工学部, 教授 (00025925)
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Keywords | 感性情報処理 / モデリング / 認知モデル / 音声・音響 / イメージ / 因子分析 / センサーフュージョン / 顔 |
Research Abstract |
感性情報とは何かを心理学的・情報科学的に明かにすべく3回の討論会をもった。その結果、感性情報処理とは、これまでの情報処理よりも1桁あるいは2桁精度の高い情報検出能力をもち、微妙な情報を抽出できること(工学的立場)、また従来のような一般的な情報検出でなく、認識する当事者依存、当事者の状況に依存して解釈される情報であること(認知科学、情報科学的立場)、さらに人間の空間認知、運動認知のモデルを作りあげること(心理学的立場)といったことが明かになって来た。これは「感性情報・感性情報処理とは何か」論集にまとめた。 工学的アプローチでは、画像中の種々の異ったデリケートなエッジの抽出、人間の顔の表情の微妙な変化の抽出のモデル、音声の持つ各種の性質(澄んだ-濁った、軽い-重い、明るい-暗い、など)の抽出、機械音の人間に与える印象の因子分析、音楽を聞いている時の予測・推論性等について成果があった。また感性は種々のマルチメディア情報の統合によって実現されるという立場から、ロボットに音声情報識別能力を持たせ、視覚情報等によって自分の位置を知りながら、知的に振る舞うことのできるロボットの認知行動モデルを作る研究にも成果があった。 認知科学・心理学分野では、因子分析法を用いて人間の感じる“おかしさ"の分析が行なわれた。また人間の感性がどのようにして発現するかという脳内過程のモデルが提案され、実験によってそのモデルの妥当性を検証する準備が進められている。視覚情報処理が人間の中でどのように行なわれているかをモデル化するために、有効視野の働きということを考え、文書の読み取り行動を詳しく調べる実験システムが作られた。他には色彩の知覚、コミュニケーションがスムーズに行くための文書のあり方、知識構造と感性的認知との関係モデルの作成、ニューラルネットワークの利用などの研究が行なわれた。
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[Publications] 中村 裕一: "近傍の濃淡の変化に基づくエッジのタイプ分けと認識への利用" 画像認識・理解シンポジウム(MIRU'92). Vol.II. 303-310 (1992)
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[Publications] 岡田 孝文: "アクティブインタフェースの研究" 情報処理学会ヒューマンインタフェース研究会報告. 93-HI-46. 1-8 (1993)
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[Publications] T.Yakoh: "PULSER:A Sensitive Operating System for Open and Distributed Human-Robot-Computer Interactive Systems" Proc.of IEEE Int.Workshop on Robot and Human Communication. 404-409 (1992)
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[Publications] 山崎 信行: "パーソナルロボットのためのアーキテクチャの提案" 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会論文集. Vol.A. 51-56 (1992)
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[Publications] H.Ogawa: "Neural network learning,generalization and over-learning" Proc.of the Int.Conf.on Intelligent Information Processing & System (ICIIPS'92). Vol.2. 1-6 (1992)
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[Publications] 大谷 紀子: "プログラミング言語の学習過程におけるイメージの役割" 日本認知科学会R&I研究分科会. 1-12 (1993)
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[Publications] 唐木 謙一: "グラフリダクションによる推論と学習" 人工知能学会全国大会論文集. 113-116 (1992)
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[Publications] 沼尾 正行: "説明の部分構造抽出による高速化学習" 人工知能学会誌. Vol.7. 1018-1026 (1992)
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[Publications] ブンサーム キッスィリクン: "弁別に基づく構成的帰納学習" 人工知能学会誌. Vol.7. 1027-1037 (1992)
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[Publications] B.Kijsirikul: "Discrimination-based constructive induction of logic Programs" Proc.AAAI 92. 44-49 (1992)
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[Publications] S.Tangkitvanich: "Refining a relational theory with multiple faults in the concept and subconcept" Proc.ML92. 436-444 (1992)
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[Publications] S.Tangkitvanich: "Correcting multiple faults in the concept and subconcepts by learning and abduction" Proc.ILP92. 38-46 (1992)
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[Publications] 徃住 彰文: "感情の認知理論と計算理論" 日本認知科学会シンポジウム. 1-12 (1992)
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[Publications] 徃住 彰文: "感性の計算理論" イマーゴ. 3巻6号. 168-177 (1992)
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[Publications] 徃住 彰文: "韻律生成の認知メカニズム" 言語. 21巻9号. 50-57 (1992)
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[Publications] 徃住 彰文: "感性研究と教育工学:認知科学的アプローチ" 電子情報通信学会,パネル討論‘感性,協調そして知性'. 1:329-330 (1992)
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[Publications] 徃住 彰文: "常識心理学的概念としての心の概念の構造について" 日本認知科学会第9回大会発表論文集. 14-15 (1992)
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[Publications] 難波 精一郎: "音色の測定・評価法とその適用例" 応用技術出版, 235 (1992)
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[Publications] Saji,H.: "Extraction of 3D Shapes from the Moving Human Face Using Lighting Switch Photometry,in Computer Animation 92,Thalmann,N.M.,et al eds." 69-86 (1992)