1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04237106
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 輝夫 九州大学, 工学部, 教授 (90091347)
原 利昭 新潟大学, 工学部, 教授 (50134953)
金田 清志 北海道大学, 医学部, 教授 (60000957)
石田 明允 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (60016540)
赤澤 堅造 神戸大学, 工学部, 教授 (30029277)
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Keywords | 脊椎 / 関節 / 骨格筋 / 安定性 / 接触圧力 / 粘弾性 / 潤滑機構 / 疲労現象 |
Research Abstract |
前年度に引き続き支持運動系を脊椎、関節、筋肉にわけ研究調査を進め、以下の結果を得た。 1)脊椎関連 以前に作成した繰り返し荷重負荷による家兎脊椎症モデルを用いて、椎間関節も含めた組織学的解析をすすめた。また、そうした繰り返し荷重が脊椎単位の力学特性をどのように変化させているかをねじり負荷についてin vitroで計測し、その不安定性が増大してくることを示した。以上より疲労現象として脊椎症を見做しうる可能性を示した。(小野)In vitroでの脊椎安定性評価により、人腰椎の剪断に対する椎間関節の重要性、胸椎における肋椎関節の重要性を示した。In vivoではX線連続動態撮影法による不安定腰椎の動態、椎間板の変形挙動を、腰椎疾患を有する患者群に対象を広げて調査中であり、また、椎弓根スクリュー創外固定応用による生体内荷重装置の患者群への応用を開始した。(金田) 2)関節関連 豚膝関節を用いて、動的荷重を与えた際の関節内部接触圧力分布を測定した。静的荷重時に比べ動的荷重時には大きな圧力が作用しており、その際の圧力の、部位による違い、時間的変化を示した。衝撃荷重作用時の関節動揺性、荷重分散能が確認され、衝撃荷重と関節不安定性の密接な関連性が推察された。(原)人工膝関節モデルの歩行シミュレータ試験により、低摩擦低磨耗を維持するために、以前より推奨している多モード適応潤滑機構の必要性を示した。関節液の構成成分の粘度特性、摩擦磨耗特性への影響を明らかにした。さらに計算機による膝関節の形状解析と接触解析により、転がり運動が摩擦の過酷度を低減していることを示した。(村上) 3)筋肉関連 長母指屈筋の粘性および弾性係数の推定法を確立し、両係数と等尺性張力の比例関係およびその個体差を示した。また膝関節のトルク、角度、下肢筋筋電図を計測するシステムを試作し、膝伸筋の粘弾性が等尺性トルクと共に増大するという結果を得た。(赤澤)直立姿勢を保持しているときの種々の条件下での足関節周囲の筋の剛性、粘性を調査し、条件が困難になるほど筋の弾性係数、粘性係数が増加し、身体の前傾増大が起きていることを示した。こうした関節インピーダンスの増加が姿勢の安定性確保に有利に働いていると推察した。(石田)
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Research Products
(24 results)
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[Publications] 田中正夫: "椎間板-椎体単位の繰返し負荷特性:ねじり負荷の場合" 日本機械学術関西支部第68期定期総会講演会講演論文集. 934-2. 157-159 (1993)
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[Publications] 田中正夫: "繰返しねじり負荷による椎間板-椎体単位の力学特性変化" 日本機械学会第5回バイオエンジニアリング学術講演会講演論文集. 930-44. 16-18 (1993)
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[Publications] 小田剛紀: "繰り返し捻り負荷に対する家兎腰椎椎間板挙動(第1報)" 日本脊椎外科学会雑誌. 4. 1 (1993)
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[Publications] 和田英路: "繰り返し運動の負荷による椎間板変性の誘発試験" 日本脊椎外科学会雑誌. 4. 17 (1993)
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[Publications] 田中誠 他: "肩腱板断裂におけるscapulo-humeral rhythmの3次元的分析" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 14. 9-12 (1992)
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[Publications] Y.Zhang: "Biomechanical analysis of weight bearing on the PCL insufficient knee" Reports Institute for Med.Dent.Eng.26. 39-49 (1992)
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[Publications] 赤澤堅造: "脳による筋の力学特性の調節" 第8回生体生理工学シンポジウム論文集. 127-138 (1993)
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[Publications] K.Kobayashi: "Identification of the Dynamic Properties of Human Compact Bone" Theoretical and Applied Mechanics. vol.42. 313-318 (1993)
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[Publications] 元田英一: "股関節接触面圧の実験的解析-感圧ゴムセンサーを利用して-" 日本臨床バイオメカニクス. vol.14. 315-318 (1993)
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[Publications] 今井和実: "脳蓋大腿関節の接触圧力分布および膝蓋骨trackingの同時測定システム" 日本臨床バイオメカニクス. vol.14. 319-324 (1993)
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[Publications] 岩崎洋史: "下肢アライメント変化による膝関節接触圧力への影響についての実験的検討" 日本臨床バイオメカニクス. vol.14. 341-344 (1993)
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[Publications] 田辺裕治: "衝撃試験によるヒト脛骨の粘弾性特性の評価" 日本臨床バイオメカニクス. vol.14. 169-172 (1993)
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[Publications] 金山雅弘: "X線シネ撮影による正常腰椎椎間板の変形挙動に関する研究-前屈・後屈における各椎間板の変形とその位相差-" 北整会誌. 37. 25-32 (1993)
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[Publications] T.Murakami: "Design Concept of Adaptive Multimode Lubrication in Artificial Joints" Proc.Intern.Symp.Design of Amenity. 154-155 (1993)
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[Publications] T.Murakami: "The Adaptive Multimode Lubrication in Knee Prostheses with Compliant Layer during Walking Motion" Thin Film in Tribology,Elsevier. 673-682 (1993)
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[Publications] T.Murakami: "Friction and Wear Characteristics of Sliding Pairs of Bioceramics and Polyethylene:Influence of Aging on Tribological Behavior of Tetragonal Zirconia Polycrystals" Bioceramics. vol.5. 365-372 (1992)
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[Publications] 村上輝夫: "軟質摩擦面を有する人工膝関節における流体潤滑機能(続報)" 整形外科バイオメカニクス. vol.13. 371-374 (1992)
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[Publications] 赤澤堅造: "脳による筋の発生張力と力学特性の同時調節" 第13回バイオメカニズムシンポジウム前刷. 127-138 (1993)
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[Publications] A.Ishida: "Description and measurement of anatomical joint motion" Frontiers Med.Biol.Engng.5. 161-173 (1993)
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[Publications] 浅野聡: "繰り返し負荷中のヒト腰椎(L4-5)椎間板の剛性特性に及ぼす線維輪損傷と髄核摘出の影響" 整形外科バイオメカニクス. 14. 37-44 (1993)
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[Publications] 土居隆: "圧縮荷重時における椎体海綿骨の荷重分担に関する実験" 整形外科バイオメカニクス. 14. 261-264 (1993)
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[Publications] 小谷善久: "胸腰椎側弯症矯正モデルにおけるAnterior Fixation Deviceの応力分布-One-rod systemとTwo-rod systemの比較-" 整形外科バイオメカニクス. 14. 241-246 (1993)
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[Publications] 梅原新司: "前方-後方屈曲時におけるヒトL4-5脊椎機能単位の剛性と後方要素の構造効果" 整形外科バイオメカニクス. 14. 247-252 (1993)
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[Publications] 金山雅弘: "前屈・後屈にともなう正常腰椎椎間板の連続変形特性" 整形外科バイオメカニクス. 14. 49-54 (1993)