1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト腰椎骨折とその治療法の有限要素解析による力学的評価
Project/Area Number |
04237214
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 英一 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00111831)
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Keywords | バイオメカニクス / 腰椎 / 骨折 / 有限要素法解析 |
Research Abstract |
第5腰椎の椎弓板にみられる骨折の原因を究明するため,第5腰椎の精密な3次元有限要素モデルを作成し,3次元弾性応力解析を実施した。まず,診断の際に得られた2mm間隔約20枚からなるX線CT画像から,今年度購入したパーソナルコンピュータとモニターを使用して、第5腰椎の精確な3次元形状を復元した,つぎに得られた3次元座標値の集合の中から適切な節点を選び,プリプロセッサーPATRANを使用して,三次元有限要素モデルの構築を試みた,まず腰椎を,比較的形状が単純な椎体部分と非常に複雑な影状を持つ後方要素部部に分け,大部分は20節点の2次のアイソパラメトリック要素(6面体要素)にて,それで近似するのが困難な部分は15節点の2次のアイソパラメトリック要素(3角柱要素)で分割するように,各断面上に設ける節点を慎重に選んだ。これらの節点を隣接する横断面上の節点と適切に結合し,合計450個の6面要素と23個の3角駅要素からなる節点総数2689個のモデルを構築した。要素の材料特性を定めるため,腰椎を緻密質の輪,海綿質,後方要素の3つの性質の異なる部分からなるものとし,前2者は横等方な線形弾性体で,後方要素は等方な線形弾性体で近似した,本研究では主に椎弓板に生じる応力に関心があるから,その主要な原因となる小関節面に作用する力だけを考慮し,椎体等に作用するその他の荷重ならびに拘此は,緻密質の輪の部分の変位を上下面とも拘束する単純な斉界条件で置き換えた,小関節面に作用する力としては,水平水向および垂直方向の荷重を選んだ,有限要素解析のソルバーに汎用有限要素プログラムABAQUSを採用し,ワークステーション上で計算を実行した。計算結果はPATRANで表示した。こにようにして得られた計算結果を詳細に検討した結果,水平方向荷重がこの骨折の支配的な因子であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)