1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04239103
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 朝夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 哲夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (20182157)
森永 正彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50126950)
中山 豊 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90081364)
|
Keywords | 金属間化合物 / 結晶構造 / 相安定性 / 電子論 / 平衡状態図 |
Research Abstract |
研究代表者の鈴木はいくつかの有望な金属間化合物の2相合金について、その状態図情報の収集(文献調査およびDTA装置などを用いた実験的研究)および機械的性質解明の第一段階として圧縮試験を行い、その塑性変形能と変形応力についての基礎的データを得た。その結果、Ni_3Al/NiBe2相合金およびCo_3AlC/Co 2相合金が高い変形応力を示し、広い温度範囲内で10%を越える良好な塑性変形能を持つことを見出した。 中山はLl_2型金属間化合物Al_3Ti-Xの塑性変形能に及ぼす組成の影響について調査した。その結果、凝固時に生成するAl-richの第2相が熱処理中に拡散消滅し、その際カーケンドール機構によってポアを生じさせることを見出した。さらに、合金組成を変えることによって第2相の生成量を制御し、Al_3Ti-X合金の延性を改善することができることを示した。 森永はA15型化合物とNb_3Alに合金元素を添加した場合の電子構造の計算を行い、Nb_3Alは他のA15型化合物に比べてかなり強い化学結合性を有していること、また、合金元素の添加によって原子間の結合の大きさをさらに増加させることがNb_3Alの高温強度の改善により有効であることを示した。 毛利は電子論計算によってCu-Pt合金の安定化の電子論的解釈および有限温度下における安定性、すなわち平衡状態図に関して検討を行った。その結果、いくつかの組成に対して実際に観察されている規則相に加えて仮想の規則相に対してもその生成エネルギーを計算し、予想される安定な構造は実験的事実と矛盾が無いこと、計算による平衡状態図作成に関して局所緩和の効果を取り込むことが重要であることを見出した。
|