1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04239106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 正治 京都大学, 工学部, 教授 (90029108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 広志 近畿大学, 理工学部, 教授 (30028930)
柴田 俊夫 大阪大学, 工学部, 教授 (90001205)
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
鈴木 朝夫 北海道大学, 工学部, 教授 (80016782)
増本 健 東北大学, 金属材料研究所・所長, 教授 (20005854)
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Keywords | 金属間化合物 / 結晶構造 / 変形 / 破壊 / 組織設計 / 耐環境性 / 酸化 |
Research Abstract |
発足第2年度を迎えた重点領域研究“新高温構造材料としての金属間化合物"では,以下の研究項目について4班にわかれ研究しているが,各班がその研究目標を達成できるよう,研究全般をcoordinateし,必要な助言を与えた。以下に各班の本年度の注目すべき成果を述べる。 [1]結晶構造の予測と制御 1.1 Structure Map(理論):ASW法に基づくエネルギ計算の結果,規則相の安定性に関し,遠隔対相互作用エネルギや多体相互作用エネルギの寄与が大きいことが明らかになるなど大きな進展があった。 1.2 Structure Mapによる結晶構造制御:Structure mapによる結晶構造制御の可能性をAl_3X(X:IV_A,V_A族元素)系について追及し,状態図等の整備と共に比較的延性を備えたAl_3X系化合物が探索されつつある。 [2]変形と破壊のメカニズム 2.1 変形機構:単結晶の変形実験を通して,多くの高融点金属のアルミナイド,シリサイドの変形能,変形モード,変形組織,変形応力が,いかに組成,結晶方位,変形温度,変形速度に依存するかが明らかとなった。 2.2 脆性→延性遷移と破壊:金属間化合物の延性,脆性挙動を支配する要因として,結晶異方性のみならず組織異方性が極めて重要であり,破壊靭性を大きく左右することがTi_3Al単結晶やTiAl PST結晶の変形挙動に関する実験等を通して明らかになった。 [3]組織設計と制御 延性,靭性の向上をねらった組織の微細化,多相化が着実に進められ,TiAl系化合物の組織微細化には水素添加法や粉末法が,Ni_3Al基複合材の製造には恒温鍛造法が効果的であることが明らかになった。 [4]耐環境性 4.1 高温酸化・腐食挙動:TiAlやMoSi_2の高温酸化機構と耐酸化性改良のための方策が明らかにされた。 4.2 環境効果:TiAlやNi_3Alの環境脆化の微視的なメカニズムが提案されppmオーダーの残留水素が脆化に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。
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