1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04239207
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塚 和弘 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 克郎 筑波大学, 物質工学系, 講師 (80177229)
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Keywords | 形状記憶合金 / 高温形状記憶合金 / Ti-Pd合金 / Ti-Pd-Ni合金 / 形状記憶効果 / 超弾性 / 機能材料 / アクチュエーター |
Research Abstract |
新しい機能材料として注目されている形状記憶合金は、パイプ継手、各種アクチュエーターとして既に実用化されている。しかし最も代表的なTi-Ni合金の使用温度は高々70〜80℃迄であり、もっと高い温度で使える形状記憶合金に対する期待には大変大きなものがある。そのような可能性を持つ合金としてTi_<50>Pl_<50-x>Nix(x=0,5,10,20,30,40)合金を取り上げ、実際に高温引張試験を行うことによって、この合金の高温での形状記憶特性を明らかにすることを目的とする。上記組成の合金はプラズマ溶解で体製し、高温引張試験は、200℃以下はオイルドス中で行い、200℃以上は、真空中で行った。まずDSC法で変態温度を測定した結果、Pd温度を変えることにより、変態温度を50°〜510℃迄コントロールできることを確認した。まず約100℃にMs点を持つTi_<50>Pd_<20>Ni_<30>合金の結果について述べる。形状回復率は、全歪2%迄は100%であるが、2%を越えると少しづつ劣化する。しかし劣化度は比較する良好で、全歪20%でも70%の形状回復率が得られる。形状回復歪は、全歪と共に増加し、全歪20%では、12%に及ぶ回復歪が得られた。室温でのすべりの臨界応力を求めると約160MPaで、ほぼTi-Ni合金含みであった。以上によりTi_<50>Pd_<20>Ni_<30>合金の形状記憶特性は機ね良好であると結論できる。次に、約550℃にMs温度を持つTi_<50>Pd_<50>合金につき高温引張試験を行った所、変態的辺傍では殆ど形状回復が起らないという以外な結果が得られた。又その原因は、高温ですべりの臨界応力が著しく低くなってしまうためであることも明らかになった。このことから、高温用形状記憶合金は、変態温度が高いだけでは不十分で、高温でのすべりの臨界応力の高いことが必要である。このための対策としては、(1)すべての臨界応力を高める第三元素の緩和、(2)時効検出による母 の強化、(3)加工熱処理による特性改善等を検討する必要等重要な指針を与えた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] C.T.Liu,H.Kunsman,K,Otsuka and C.T.Liu: "MRS Symposium Proc.,Vol.246,"Shape Memory Materials and Phenomena"" Materials Research Society, 436 (1992)