1992 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属を基にするLaves相結晶の欠陥構造とその挙動
Project/Area Number |
04239220
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北野 保行 広島大学, 理学部, 助教授 (20033855)
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Keywords | ラーフェス相 / 金属間化合物 / ZrFe_2 / 転位 / 積層不整 / 結晶粒界 |
Research Abstract |
Laves相構造と呼ばれる一群の金属間化合物のうちで、Zr、Nb、Cr、Fe、Co等の遷移金属同士のつくるLaves相合金は高い融点を持つ。常温におれる機械的性質は固くてもろく、実用金属材料として有利な点はない。この合金の構造欠陥や結晶粒洋の性質が、温度とともにどのように変化するか、あるいは、ボロンの添加によって、これらの性質がどのように変化するかを調べることがこの研究の目的である。常温における欠陥の構造を調べた。液体急冷法によりZrFe_2の試料作成を試み、X線回折、光学顕微鏡、EPMA、SEM、電子顕微鏡等による組織観察を行った。ボロンを、1および5at.%添加したものも作成した。得られたリボン状の薄膜は数cmのこま切れになったが、薄膜の厚さは0.02から0.09mmで、平均0.05mmである。試料の表面の光顕、SEMによる観察から、作成時のホイールとの当たり面では、リボンの長手方向への流けが、反対側の自由面では、結晶が膜面に垂直に柱状成長している様子が観察される。EPMAの特性X線による分析の結果によると、試料全域にわたって金属原子は一様に分布している。ボロン原子の析出は検出されなかった。ZrとFeとの組成比は、作成したLaves相合金の組成比は、誤差は±2at.%以内で1:2である。X線回折実験による試料の同定の結果は、ZrFe_2およびそのボロン添加試料では、すべて、MgCu_2型のLaves相構造で説明可能である。5at.%ボロン添加試料には、ZrB_2折線の痕跡がみられた。 以上をまとめると、液体急冷法によって厚み0.05mm程度のリボン状のLaves相合金が得られた。その1:2の組成は試料全体に均一に分布している。ボロンの偏析は認められない。ボロンの添加試料には積層不整が多く見られたが、ボロンの効果がどうか確認する必要がある。急冷時の結晶成長が自由面では顕著に見られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 北野 保行: "HREM stusy of disclination in Macd ordered allay" Ultramicroscopy. 39. 279-286 (1991)
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[Publications] 北野 保行: "Elec tron Microscpy of planar Defets in A15 Nb3Ge" Journal of Solid State chemistry. (1993)