1992 Fiscal Year Annual Research Report
トルクおよび交流磁気緩和法による層状高温超伝導体中の磁東の電磁力学的研究
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04240237
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 喜一 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50028205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 修一 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50211868)
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Keywords | 高温超伝導体 / Bi2212 / 有機超伝導体 / 磁束 / 磁気異方性 / トルク |
Research Abstract |
一連の銅酸化物高温超伝導は、その発現の舞台がCuO_2二次元シートにあり、それらが面に垂直に弱く結合したものであるという描像が良く成り立つ。この二次元層状効果は,超伝導に強い一軸異方性となって現れる。すなわち,渦系電流はCuO_2二次元面に張り付けられ,磁束線はCuO_2面に垂直となり,面に垂直な反磁性モーメントが誘起される。その結果、磁場中で,非常に感度良く,試料固有の磁気トルクの測定が可能となる。この原理にしたがって,我々は,Bi2212単結晶(Bi_2Sr_2CaCu_2O_8)これにヨウ素をインターカレートしたもの(I-Bi2212),さらに,層状有機超伝導体k-(BEDTTF) _2Cu(NCS)_2単結晶をとりあげ磁気トルクの測定を行った。測定はNULL-DETECTにより結晶の回線変位はトルク計のコイルに流す制御電流によって静止されている。この際,トルクはこの制御電流に比例する。磁場は超伝導2次元面に垂直な方向を含む面内で回転された。結果は,これら3種の物質に共通し,その特異性によってH-T面における不可逆曲線(IREVERSIBILITY LINE)の内外に分けられる。すなわち,不可逆領域においては,トルクに3つのカスプC_1,C_2,C_3が現れ各カスプ角θcはHcosθ=Hcp(T)(θは垂直方向からの角度)の関係によって支配されていることがわかった。ここでHcp(T)_<1,2,3>は面に垂直な或る転移磁場で,面内に最も近い第1カスプを与えるHcp_1は磁束が進めて超定導面を垂直にステップ状によぎる磁場であり,立木達によって提案されているintrinsic pinningによるものである。第2,3カスプを与えるHcp_<2,3>はcollective pinningによるものと考えられる。他方,可逆領域におけるトルクは面内近傍で急激にその大きさと符号を変え鋸歯状波的となり,有効質量モデルに基づいた異方的AGL理論でFittingされ,これからγ(=mc/ma)が評価された。γは温度に依存しTc近傍で温度とともに急に減少し2次元から3次元に次元交差の生じることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.KAWAMATA: "Observation of anisotropic pinning effectin Bi_2Sr_2Cu Cu_2O_<8+8>single erystals" Physica C. 195. 103-108 (1992)
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[Publications] H.Sasakura: "Superecnductiuity in the Gd_<2-x-y> Lax Cey Cu Oz System" Jpn.J.Appl.Phys.31. L1332-L1334 (1992)