1992 Fiscal Year Annual Research Report
アルカンC-H結合の遷移金属錯体による活性化を経る合成反応
Project/Area Number |
04241222
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 祐三 広島大学, 工学部, 教授 (10029481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 謙 広島大学, 工学部, 助教授 (80116615)
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Keywords | メタン、エタン、プロパン / メタンの活性化 / メタンより酢配合成 / プロパンより酪配合成 / 酢配銅 / 酢配パラジウム / エタンよりプ個ピオン配合成 / 不活性小分子 |
Research Abstract |
遷板金属によるC-H結合活性化を経る合成反応の開発研究の一環として本重点研究では、メタン、エタン、プロパン等の不活性小分子に官能基を導入する反応の検討を行った。その結果メタン、エタン、プロパンとCOの反応からそれぞれ酢配、プロピオン酸、iso、およびn-酪酸を合成できることが明らかになった。 1.プロパンとCOの反応から酪酸の合成 プロパン(10atm)をpd(OAC)_2/Cn(OAC)_2/K_2S_2O_8/CF_3COOH系でCO(20atm)と80℃で20時間反応させると、iso-およびn-酪配がそれぞれ5500%,1600%収率(Pd基準)で生成することが明らかなにった。このPd(OAC)_2/Cu(OAC)_2/K_2S_2O_8系が最も収率が高く、Pd(OAC)_2/K_2S_2O_8あるいはCu(OAC)_2/K_2S_2O_8系では収率は低下する。iso-およびn-酪配は脱水素すると、それぞれ工業的に重要なメタクリル配、クロトン酸を与えるので,プロパンの反応は興味深い。i/u比はPd(OAC)_2/Cu(OAC)_2/K_2S_2O_8系では3.5,,Pd(OAC)_2/K_2S_2O_8系では4.0,Cu(OAC)_2/K_2S_2O_8系では2.1となりPd(OAC)_2の存在する親電子置換反応の場合が高く、Cu(OAC)_2/K_2S_2O_8系のラジカル反応の場合は低くなる。 2.エタンとCOの反応からプロピオン配の合成配が生成する。プロパンの反応と同様にOd(II)/Cu(II)/K_2S_2O_8系が最も収率が高く(6000%),Pd(II)/K_2S_2O_8あるいはCu(II)/K_2S_2O_8系では収率が低下する。 3.メタンとCOの反応から酢配の合成 メタンは酸性性度も塩基性度も他のアルカンの中で最低で反応性に乏しいが、我々は上の反応をメタンに適用することによって、メタンとCOから酢配の合成に初めて成功した。興味深いことに、メタンの反応は上記1.2の反応と異なりCu(II)/K_2S_2O_8系が最も高い活性を示した(1800%)。メタンの反応はラジカル的に進行していると考えられる。
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[Publications] T.Nishiguchi: "Transition Metal Catalyzed Acetic Acid Synthesis form Methane and CO" Chemistry Letters. 1141-1142 (1992)
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[Publications] 佐藤史衛他編: "合成化学者のための実験有機金属化学" 講淡社サイエンティフィク, 270 (1992)