1992 Fiscal Year Annual Research Report
共有結合性結晶の気相エピタキシャル成長に関する量子化学的研究
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04243203
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笈川 節子 千葉大学, 薬学部, 助教授 (60101359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 穰 千葉大学, 薬学部, 教授 (90009506)
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Keywords | 化学反応理論 / 分子動道法 / 結晶成長 / ステップ成長 / ダイヤモンド / C(001)面 / C原子 / 核生成 |
Research Abstract |
今年度はC原子によるC(001)面のステップ成長機構を研究した。はじめに,C(001)再構成面に基本構造をab intio MO法で求めた。電子相関を考慮した構造最適化計算の結果,最安定構造はSi(001)再構成面の場合と同じく,スピン-重項状態の(2×1)対称ダイマー構造であると得られた。これから考えると、C(001)面にもSi(001)面と同じS_A・S_Bの2種類のステップが存在しているはずである。この予想は,最近都野らが観測したC(001)成長面のSTM像によって確認された。ここでS_A及びS_BステップはSi(001)面についてのChadiの定義に従ッて、ダイマー列が伸びる方向の成長をSbステップ成長,これに直交する方向の成長をS_Aステップ成長を呼ぶ。計算には各ステップ構造を表すクラスターモデルを考え、これにC原子が2個吸着付加して1個の最表面ダイマー構造が生成して成長が進む際の安定構造と,安定化エネルギーを原子数が多いので半経験的MOであるMNDO法で求めた。その結果,S_Bステップ成長は,タイプIとタイプIIの二種類の構造が成長過程に現れ,これらの構造を交互に取りながら,ダイマー列成長が進むことにより起こると孝えられた。S_Bステップでは,成長が各ダイマー毎に独立に起こるためステップ端は整わす凹凸があると予想されるが,STM観察もそうなっている。 一方,S_Aステップ成長は、ステップ端の下層ダイマー列の上にダイマー核が生成することから始まり、核を中心にしたダイマー列の伸長(S_Bステップ成長と等価)が続く反応であることがわかった。核生成がダイマー列伸長反応より遅いとき、A_Aステップ成長速度がS_Bステップ成長より遅くなり,S_Aステップ端が整列すると考えられる。実際に,このような機構が働いているかどうかを調べるため,C原子がC(001)テラス面およびステップ端を表面移動する上で必要なエネルギーを正確に求める研究を続行している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Tsuda,S.Oikawa,S.Furukawa,C.Sekine,M.Hata: "Mechanism of the Step Growth of Diamond Caystals with Carbon Atous I.Epitaxal Grouth of (001) surfa ces" J.Electrochem.Soc.139. 1482-1489 (1992)
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[Publications] 笈川 節子,津田 穣,畑 晶文,古川 伸二,関根 知世子: "ダイヤモンド(001)面のステップ成長反応機構" 分子構造総合討論会要旨集. 106-106 (1992)
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[Publications] 畑 晶之,津田 穰,笈川 節子: "Diamond(001)面上の炭素原子の表面拡散機構(III)拡散の活性化エネルギー" 第40回応用物理学関係連合講演会要旨集. (1993)
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[Publications] 笈川 節子,大原 千佳,畑 晶之,津田 穰: "炭素原子によるダイヤモンド結晶成長の反応素過程,(001)面S_Bステップ成長の初期過程" 第40回応用物理学関係連合講演会要旨集. (1993)