1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04244103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
海老沢 徹 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30027453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 義治 中部大学, 工学部, 教授 (40029129)
高橋 敏男 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20107395)
河合 武 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027436)
高原 淑恵 茨城工業高等専門学校, 講師 (50216777)
田崎 誠司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40197348)
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Keywords | 多層膜中性子干渉計 / 多層膜中性子ミラー / 極冷中性子 / 干渉パターンのコントラスト / 可干渉性 |
Research Abstract |
1.本年度の研究目標は、(1)多層膜中性子干渉計の性能を引き続いて改善すること、(2)応用研究の第1段として極冷中性子による可干渉性の実験を行うこと、(3)応用研究に関して研究計画を具体的に検討すること等であった。結論的に言えば、項目(1)と(2)についてはほぼ順調に進行している。(3)については原子炉のマシンタイム、及び多層膜干渉計の移設の関係で予定より約5カ月遅れているが、進行中である。以下に主な項目について具体的に述べる。 2.より完全性の高い多層膜中性子ミラーの開発、製作に関連して、平面性の優れたミラー基板の開発、製作及びミラー特性の総合的な評価方法について一層の改善が図られた。 3.ピエゾアクチュエーターを用いたミラー位置調整に関しては、干渉計の4つのミラー位置について位置の変化を約100A程度の精度で測定する方法が開発された。数10Aの位置の変動は中性子による干渉パターンのコントラストの変化の測定により行われる。 4.多層膜干渉計による本格的な中性子実験のためには高中性子束炉であるJRR3号炉の利用が効果的である。そのための入射ビーム系の準備は93年中に完了した。現在、多層膜干渉計は京大炉からJRR3号炉への移設と調整の段階にある。 5.多層膜干渉計の中性子特性の測定、総合的な性能の改善は93年末に京大炉を用いて試験的に実施された。この項目については、JRR3号炉を用いて本格的に実施される予定である。94年夏までには具体的な成果が期待できよう。 6.多層膜干渉計を用いた極冷中性子の波束の広がりや可干渉性の研究は、前項と同様に干渉計の移設を待って、94年夏に実施される予定である。 7.本干渉計の応用に関しては、基礎物理学的研究及び物性物理学的研究の観点から研究計画のより詳細な検討が行われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Ebisawa,et al.: "Multilayer mirror interferometer for very cold neutrons" Nucl.Instru.& Methods.A,. (in press). (1994)
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[Publications] 海老沢徹、他: "原研3号炉C3-1-2ビームポートの特性と研究計画" 京都大学原子炉実験所、第28回学術講演会報文集. 28. 105-110 (1994)
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[Publications] 海老沢徹、他: "多層膜中性子干渉計の改良と応用(I)" 京都大学原子炉実験所テクニカルレポート. KURRI-TR-388. 1 (1994)