1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04244202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藪崎 努 京都大学, 理学部, 教授 (60026127)
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Keywords | レーザー核偏極 / 時間反転対称性の破れ / ランタン / プロトン |
Research Abstract |
核スピンの大量高偏極状態を達成することにより様々な分野への応用が考えられる。ランタン核の偏極ターゲットを用いて時間反転対称性の破れの高精度の検証実験が可能になる。核スピンの緩和時間が長い糸を用いて、非熱平衡状態としての高偏極状態を生成させることがA.AbragamやC.D.Jefferysらによって提案され実現された。極低温及び高磁場(約1K,1T)のもとで高偏極した電子スピン偏極(熱平衡状態)を高出力マイクロ波を用いて核スピンに移行させるというものである(Solid dffect)。この方法により必要とされる実験条件は大幅に緩和されたといえる。極最近になって非熱平衡状態としての電子(または核)スピンの高偏極状態をレーザー光を用いて生成しそれを核スピン系に移行させ、大量の高偏極状態を生成させようとする試みがなされている。この方法によれば常温や弱磁場でまた高周波磁場を用いるだけで偏極させることが可能であり、実現すれば極めて画期的なことであるといえる。我々は現在レーザー光を用いた核偏極法を開発中である。まず光励起状態を用いた核偏極実験として、(1)ペンタセンをドープしたナフタレン結晶の常温陽子偏極、(2)Pr:CaF2結晶を用いた高周波磁場のみによる弗素核偏極、行なった。現段階ではそれぞれ光励起状態のスピン偏極した状態の磁気共鳴信号を既に観測し、偏極移行のための準備を進めている。また基低状態の電子スピンの光ポンピングを利用した実験を、Cr:LaA103結晶を用いて低磁場及び高周波磁場のみにより行なっている。ランタン核の偏極はきわめて重要なことであり、我々は積分型固電効果によるNd:LaA103優晶及びCr佞LaA103結晶での偏極実験は開始している。そのためのマイクロ波システムはほぼ完成し、試験サンプルの磁気共鳴信号を感度よく得ることができた。またランタン核及びアルミ核の核磁気緩和時間も測定し30秒程度であることを得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.プロトンT.Yabuzaki:
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[Publications] T.Yabuzaki: "Laser Specfroscopy in Superfluid Helium" Atomic Physics. 13. (1993)
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[Publications] H.Ito: "Spin Polarization by Opfical Pumping with Selecfive Reflection" J.Phys.Soc.Japan. (1993)