1992 Fiscal Year Annual Research Report
電気双極子能率とCP非保存の起源に関する理論的研究
Project/Area Number |
04244203
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
萩原 薫 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (50189461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗本 猛 大阪大学, 教養部, 助手 (10195563)
林 青司 神戸大学, 理学部, 助教授 (80201870)
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Keywords | 電気双極子能率 / CP非保存 / Wボゾン / トップクォーク / タウレプトン / ヒッグスボゾン / B中間子 / ニュートリノ |
Research Abstract |
全ての基本粒子の電子双極子能率に対する既存及び将来の実験・観測による制限を明らかにするという基本的な研究目的に関して、次の様な研究成果が得られた。まずルボゾンについては、電子や中性子の電気双極子能率の制限から間接的な情報が得られるのだが、輻射補正の計算法に依存する不定性が現われる。我々は、輻射補正によってWボゾンの相互作用に関する情報を得る為には、電弱理論のゲージ不変性を保った取り扱いをすることが必要であることを示した。CP不変性を破る相互作用の効果についても、ゲージ不変な全ての可能な相互作用について、その低エネルギー精密実験への効果を調果中である。次にトップクォークに関しては、その崩壊巾が大きい為に、電子陽電子衝突実験に於いてでさえ定量的な生成面積の計算が困難であることが明らかにされた。我々はトップクォーク生成を定量的に記述する新しい方法を提案し、それに基いた基本的な計算を完了した。現在、トップクォークの崩壊に於けるCP非保存の効果を、超対称性理論の枠組の中で考察している。第三にタウレプトンに関しては、Z崩壊に於けるその電気双極子能率の測定法は既に基本的に明らかにされていることが分かった。我々は、ヒッグスボゾンのタウレプトン対への崩壊に於いて、タウレプトン対の偏極相関を測定することにより、その相互作用の型を定められることを明らかにした。ヒッグスボゾンとタウレプトンとの結合に関しては、更にCP非保存結合を含めた解析を継続中で、特に電子陽電子衝突に於けるZボゾンとの対生成でZボゾンの崩壊分布を詳細に調べることによりCP非保存現象を観測可能であることを示した(発表準備中)。ニュートリノに関しては大陽ニュートリノ問題が調べられた。最後に、K及びB中間子系の精密測定から基本粒子の相互作用に関する有用な情報を引き出す為の、系統的な方法を確立し発表した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K. Hagiwara: "Low energy constraints on electroweak gauge boson couplings" Physics Letters B. B283. 353-359 (1992)
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[Publications] Y. Sumino: "Top quark pair production near threshold" Physical Review D. D47. 56-81 (1992)
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[Publications] B. K. Bullock: "T polarization and its correlation as a probe of new physics" Nuclear Physics B. (1993)
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[Publications] T. Kubota: "Twisting teridal magnetic fields and the seasonal oscillation of the solar neutrino flux" Physics Letters B. B292. 195-200 (1992)
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[Publications] N. Kitazawa: "Unified description of hadrons and heary hadron decays" Physical Review D. (1993)