1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04245202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江沢 潤一 東北大学, 理学部, 助教授 (90133925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 斉 東北大学, 理学部, 助手 (20222341)
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Keywords | 位相的励起 / 位相的欠陥 / チャーン・サイモン・ゲージ理論 / 分数統計 / 量子ホール状態 / ジョセフソン効果 / 大統一理論 / モノポール |
Research Abstract |
当研究課題の基に行った研究の具体的成果は以下の様である。 (1)Chern-Simonsゲージ理論と分数統計 (2+1)次元特有の量子論と位相的性質の現われとして分数統計がある。これは純粋に位相的な問題が系のダイナミックスを完全に変えてしまう非常に顕著な例である。現実の物理現象としては、平面電子系を強磁場のなかに置くことによって実現できる量子ホール状態がある。この状態での位相的励起(準粒子)は分数統計をもつ粒子と考えられている。この様な状態の波動関数を我々は量子効果を取り入れることによって、初めて理論的に導いた。この準粒子はある物理的条件の基ではウィグナー格子を作る事が示される。この状態の波動関数も導出したが、これは準粒子が分数荷電をもつ粒子であることを明示している。 同様の解析れ2層電子系に対しても行ったが、その成果には目覚ましいものがある。即ち、特定の物理的条件の基に、二層間にJosephson効果が見えるはずである、という予言を我々は行った。この仕事が重要であるのは、まず第一に、強磁場中の半導体系に新しいタイプの超伝導現象(Josephson効果)が可能である、と言うことを示しているからである。更に、学術的に興味あるのは我々の提唱するJosephson効果の観測によってCooper pair 2eではない素電荷eの凝縮の存在を実験的に証明できるからである。 (2)位相的欠陥と宇宙論 場の理論に現れる位相的欠陥の宇宙論的帰結をテーマとした研究も行った。例えば、大統一理論ではπ_3(G/H)=Zに基づく位相的欠陥としてモノポールが現れる。そのまでは宇宙を閉じてしまうので、どうしてもインフレーションが必要となる。一方、インフレーションを認めてしまうと、宇宙の物質反物質非対称性を大統一理論で作ったとしても薄まってしまう。まずレプトン数非対称性を作ることによりその問題を解決する模型を提案した。ここでは標準模型に内在する位相的に異なる真空の間の熱的な遷移によって、作られたレプトン数がバリオン数(物質反物質の非対称性)に転化する。また、我々はPeccei-Quinn対称性もπ_0(G/H)=Zに基づく位相的欠陥を作る事を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Z.F.Ezawa: "Derivation of Laughlin's wave function in anyon system" Mod.Phy.Letters. B6. 737-745 (1992)
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[Publications] Z.F.Ezawa: "Fractional guantum Hall states and Wigner crysal of guasiparticles" J.Phys.Soc.Japan. 61. 4133-4147 (1992)
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[Publications] Z.F.Ezawa: "Chern-Simons gauge theory for double-laher electron system" Int.J.Mod.Phys.B6. 3205-3234 (1992)
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[Publications] Z.F.Ezawa: "Quantum Hall liguid,Josephson effect and hierarehy in a double-layer electven system" Phys.Rev.B47. (1993)
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[Publications] Murayama: "Radiative Breaking of Peccei-Quinn Symmetry at the intermediate mass scale" Phys.Lettens. B291. 418-425 (1992)
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[Publications] Hisano: "Probing GUT-scale mass spectrum through precision measnrements on the weak-scale paremetes" Phys.Rev.Letters. 69. 1014-1017 (1992)