1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04246104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉江 昇 名古屋大学, 工学部, 教授 (30126867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60014015)
上坂 吉則 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40019782)
清水 博 東京大学, 薬学部, 教授 (30037577)
酒田 英夫 日本大学, 医学部, 教授 (10073066)
甘利 俊一 東京大学, 工学部, 教授 (80010726)
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Keywords | 脳理論 / ニューロダイナミックス / 学習・記億 / 視覚 / 聴覚 / 歩行 / 主観輪郭 / 音源定位 |
Research Abstract |
脳の計算理論の様々な側面につき、神経生理学を専門とする班員と討論を重ねながら研究を進め、以下に記す成果をえることが出来た。この成果を踏まえて、今後、新たな構想の下にさらに研究を進めたい。 ニューロダイナミクスについて、上坂は、相互結合型ネットワークを2次形式で定式化し、初期設定や固有値と求解との関連につき知見をえた。清水は、振動子を基本素子とする複数のネットワーク間での情報の循環により、意味のある処理がなされるとの枠組みの下に研究を行い、様々な環境条件下で安定な歩行が可能な2足歩行のモデリングに成功した。佐藤は、周期入力パルス列に対するBVD型発振子の振舞いを調べ、特異な周期応答やカオス応答を見い出し、また実在のペースメーカニューロンの振舞いと比較検討している。 記億・学習については、甘利、篠本は各種の条件下での学習曲線似ついて理論を展開し、学習回数tの関数として誤り率を導出した。また甘利は、あるアーキテクチャのネットワークが作る部分関数空間に着目したニューロ多様体の理論を構成した。さらに、海馬ニューロンの振舞いについての塚田の神経生理学的研究からえられたデータを、篠本は理論的に検討し、LTDのタイムコース、LTDの存在可能性について推論している。 感覚・行動については、清水は、図と地の分離、主観輪郭の生成、ヒステリシス現象をシミュレートした。杉江も別のアプローチにより主観輪郭の理論を構築し、様々な事例をシミュレートした。また、音源の定位の理論を提案し、実データでの定位に成功した。酒田は、大脳頭頂連合野のニューロン活動を記録し、奥行運動感受性ニューロンと軸方位選択性ニューロンを発見している。これらは、高次の空間知覚を理解する上で、きわめて興味深い。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Supaongprapa: "A Mobile Robot with the Ability of sound Source Localization" Proc.of Japan/USA Symp.on Flexible Automation. 2. 1335-1340 (1992)
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[Publications] S.Amari: "Estimation in the Presence of Infinitely Many Nuisance Parameters:Geometry of Estimating Functions" Annals of Statistics. 16. 1044-1068 (1988)
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[Publications] H.Sakata: "Neural Mechanisms of Perception of Linear and Rotary Movement in Depth in the Parietal Association Cortex of the Monkey" Brain Mechanisms of Perception and Memory. (1993)
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[Publications] Y.Uesaka: "A Generalized Hopfield Machine for Optimizing Higher Order Functions with Arbitrary Constraints" IJCNN'92. I. 481-486 (1992)
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[Publications] S.Sato: "Response Characteristics of the BVP Neuron Model to Periodic Pulse Inputs" Mathematical Biosciences. 112. 243-259 (1992)
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[Publications] S.Amari: "Four Types of Learning Curves" Neural Computation. 4. 605-618 (1992)
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[Publications] 甘利 俊一: "人工知能とニューロコンピュータ人智に近づく情報処理" クバプロ, 215 (1992)