1992 Fiscal Year Annual Research Report
神経突起伸展作用を中心とする生物活性海産ガングリオンドの探索合成と構造活性相関
Project/Area Number |
04250207
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樋口 隆一 九州大学, 薬学部, 教授 (60122727)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 昌徳 九州大学, 薬学部, 助手 (50173670)
|
Keywords | ガングリオシド / ヒトデ類 / ムラサキヒトデ / ヒラモミジガイ / 神経突起伸展作用 / セラミド / ラクトース / N-グリコリルノイラミン酸 |
Research Abstract |
新規医薬素材の開発、ガングリオシドの構造と機能に関する基礎研究とする事を目的に、棘皮動練ヒトデ類のもつガングリオシドの単離・構造決定と生物活性の検討を行なっている。今回は神経突起伸展作用を指標とした生物活性海産ガングリオシドの探索と、それらの化学合成を企図した。 1.探索:既にムラサキヒトデからは、マウス神経芽腫瘍細胞株Neuro2aに対して、増殖抑制ならびに強い分化誘導作用(神経突起伸展作用)をもつガングリオシド分子種GAA-7を得ている。本年度はヒラモミジガイ(ヒトデ類)について、より強い生物活性をもつガングリオシドの存在を期待してその探索研究を行った。ヒラモミジガイの水溶性脂質分画から2種の新規ガングリオシド分子種LG-1,LG-2を得て、MS,NMRスペクトル等の機器分析的手法、メチル化分析等の化学的手法により立会化学まで含めてそれらの構造を明かにした。今後LG-1,LG-2につして神経突起伸展作用を中心に神経細胞調節機能を検討する。 2.合成:ムラサキヒトデガングリオシド分子種GAA-7及びその類似体の化学合成を企図している。セラミド部の立体選択的合成法は既に確立している。本年度は先ずモデル実験として、既に合成しているラクトースのガラクトース部の3位や6位にN-グリコリルノイラミン酸(NGNA)が結合したシアロシルオリゴ糖とセラミドから、Schmidt法によるグリコシル化反応によりガングリオシド誘導体1、2を得ることができた。1はガラクトースの6位にNGNAをもつ人工ガングリオシド誘導体であるが、2は哺乳類のG_<M3>型ガングリオシド誘導体であり、ムラサヒトデ中にも存在する。今後、ラクトースの3位及び6位にNGNAが結合したシアロシルオリゴ糖を合成し、セラミドと結合させてGAA-7類似の人工ガングリオシドを合成する。
|
Research Products
(1 results)