1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04253235
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 訓也 熊本大学, 医学部, 助教授 (40240915)
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Keywords | トランスジェニックマウス / B型肝炎ウイルス / 慢性肝炎 / インターフェロンα / 悪性リンパ腫 |
Research Abstract |
血清アミロイドP成分(SAP)遺伝子は肝臓特異的に且つ出生後に発現することが知られている。このSAP遺伝子のプロモーター領域約850塩基対をHBs抗原やSV40T抗原遺伝子に接続すると、それらを肝特異的に且つ出生後に発現させうることをまず明らかにした。SAP-SV40T遺伝子導入マウスでは、2つのタイプの肝癌が発生すること、そのうちの1つはヒトの肝癌と類似していることが分かった。この系が肝癌発生のコントロール系となりうることが分かった。そこで、SAPプロモーターをインターフェロンα(INF-α)遺伝子に接続しINF-αを持続的に肝細胞で発現させることにより慢性肝炎モデル樹立を試みた。4系統のトランスジェニックマウスを作製したが、そのうち1系統で生後3ヶ月より1年に至る迄、血中INFα値が高く、GOT及びGPTの上昇が認められた。これらの肝臓の組織片を作製し解析したところ、リンパ球浸潤と肝細胞の壊死と再生像、更に線維化もみられ病理学的には慢性肝炎と診断できた。以上から、これ迄不可能であった慢性肝炎モデルがマウスでも樹立できることが明らかとなった。 Eμ-myc遺伝子をC3Hマウスに導入すると、多くはT細胞腫を発生する。その理由の一つはT細胞が育つC3Hという環境にあることはこれ迄明らかにした。今年度は、T細胞の癌化に必要な2次的変化が起こりやすいかどうかを染色体レベルで解析した。その結果、C3Hマウスで発生したTリンパ腫では100%第6番染色体の異常が認められること、この異常はTリンパ腫というよりはC3Hマウスの遺伝的背景と関連していることを明らかにした。また、IL-6遺伝子を発現させたB6マウスでは形質細胞増多症しか生じないが、BALB/0マウスに戻し交配していくと形質細胞腫が発生すること、この時第12番と15番の染色体相互転座が起こっていることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suematsu,S.,Yamamura,K.et al.: "Genaration of plasmacytomas with the chrosomal translocation t(12;15)in interleukin 6 transgenic mice." Proc Natl Acad Sci USA. 89. 23-235 (1992)
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[Publications] Akagi,K.,Yamamura,K.et al.: "Strain dependency of cell-type specilicity and onset of lymphoma development Eμ-myc transgenic mice." Jpn J Cancer Res. 83. 269-273 (1992)
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[Publications] Takashima,H.,Yamamura,K.et al.: "Characterization of T cell tolerance to hepatitis B virus(HBV)antigen in transgenic mice." Immunology. 75. 398-405 (1992)
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[Publications] Zhao,X.,Yamamura,K.et al.: "Developmental and liver-specific expression directed by the serum amyloid P component promoter in transgenic mice." J Biochem. 111. 736-738 (1992)
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[Publications] Nagahata,T.,Yamamura,K.et al.: "Inhibition of intrahepatic hepatitis B virus replication by antiviral drugs in a novel transgenic mouse model." Antimicrob Agents Chemother. 36. 2042-2045 (1992)
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[Publications] Miyazaki,T.,Yamamura,K.et al.: "Prevention of autoimmune insulitis in nonobese dic mice by expression of major histocompatibility complex class IL^dmoleccules." Proc Natl Acad Sci USA. 89. 9519-9523 (1992)