1992 Fiscal Year Annual Research Report
シトクロムP450camオペロン・リプレッサー(CamR蛋白質)の構造と機能解析
Project/Area Number |
04254104
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
堀内 忠郎 創価大学, 工学部, 教授 (10037567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒牧 弘範 第一薬科大学, 助手 (20221054)
安河内 孝徳 九州大学, 薬学部, 助手 (50230214)
相良 康弘 九州大学, 薬学部, 助手 (60162319)
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Keywords | シトクロームP450cam / リプレッサー / DNA結合 / カンファー |
Research Abstract |
CamR蛋白質は、カンファー分解菌であるPseudomonas putida PpG1(ATCC17453)株のCAMプラスミド由来のリプレッサー蛋白質であり、シトクロムP-450camオペロン(camDCAB)の発現を制御する。また、このリプレッサーはcamDCABオペロンおよびcamR遺伝子も自己調節し、CamR蛋白質が一ケ所に結合することにより、camDCABオペロンおよびcamR遺伝子の転写を同時に抑制する。また、カンファー存在下ではリプレッサーは不活化され、それぞれの転写開始点から逆方向に両遺伝子群が発現される。以上のような特異的な性質を持つCamRリプレッサーの構造および機能解析を研究の目的とした。 本年度は、CamR蛋白質の生化学的性質と立体構造(X線)の解明を中心に研究を行なった。CamR蛋白質の機能ドメインの解析は第3班の郷通子博士(名古屋大・理)と共同で行なった。CamR蛋白質のモジュール予測では、アミノ酸配列のN末から14-33番目(領域I)および40-59番目(領域II)の領域がDNA結合ドメインである可能性があった。このモジュールの結果を基に、二つの領域のアミノ酸を一つずつ変異させたCamR蛋白質を多数作製した。それぞれの変異CamR蛋白質のDNA結合能を測定した結果、領域Iの後半部分および領域IIの前半部分がDNA結合に重要であることがわかった。さらに、CamR蛋白質の基質(カンファー)結合部位のアミノ酸配列の特定とともに、リプレッサーの機能とそのアロステリズムを検討中である。また、CamR蛋白質の立体構造を解析するため、この蛋白質の結晶化を第3班の白木原康雄博士(兵庫教育大)と共同で進めており、やや大きな結晶を得ることが可能になった。
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