1992 Fiscal Year Annual Research Report
内因性MPTP類以物質であるTIQ関連化合物の代謝と神経毒性に関する研究
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04258210
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 利充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20208268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40064802)
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Keywords | パーキンソン病 / 脳 / MPTP類似物質 / テトラヒドロイソキノリン / N-メチルドーパミン / N-メチルサルソリノール / N-メチルノルサルソリノール / ガスクロマトグラフィー / 質量分析法 |
Research Abstract |
パーキンソン病患者の脳内に発見されたテトラヒドロイソキノリン(TIQ)をサルに投与することにより、パーキンソン病様症状を惹起することが明らかになった。しかし、TIQの脳内濃度はパーキンソン病患者において必ずしも増加していない。このため、他のTIQ関連化合物をパーキンソン病患者脳内で探索した。この結果、N-メチルサルソリノール、N-メチルノルサルソリノールをパーキンソン病患者脳内において初めて検出した。N-メチルサルソリノールは、サルソリノールのN-メチル化により生成することが明らかにされた。他の生合成経路としてN-メチルドーパミン(エピニン)からアセトアルデヒドとのPictet-Spengler縮合反応によりN-メチルサルソリノールが生成する可能性を考え、N-メチルドーパミンがパーキンソン病患者脳内に存在するか検討した。 パーキンソン病患者5例の脳および神経病理学的に正面な5例の脳を用いた。試料はO.1M塩酸によりホモゲイナイズし、上清をフェニルポロン酸カラムに添加し、洗浄後ジオール化合物を1M酢酸/メタノールで溶出した。溶出液を乾固した後、残渣をPEP化しGC/MSにより分析した。in-vitroの実験としてはNーメチルドーパミンをHCHOまたはCH_3CHOと37℃で24時間反応させた。反応液から上記カラムを用い抽出しGC/MSにより分析した。 パーキンソン病患者脳および正常な脳内において初めてN-メチルドーパミンを検出した。im-vitroの実験ではN-メチルドーパミンとHCHOを反応させることによりN-メチルノルサルソリノールが生成し、CH_3CHOと反応させることによりN-メチルサルソリノールが生成することを明らかにした。N-メチルドーパミンのヒト脳内における生理的役割、およびパーキンソン病の成因・病態との関連については明らかではなく今後の検討が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 丹羽 利充: "Endogenous synthesis of N-methylsalsolinol,an analogue of 1-methy1-4-pheny1-1,2,3,6-tetrahydropyridine,in rat brain during in vivo microdialysis with salsolinol,as demonstrated by gas chromatography-mass spectrometry." J.Chromatogr.578. 109-115 (1992)
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[Publications] 梶田 光春: "パーキンソン病患者脳内におけるNーメチルドーパミンのGC/MSにより検出." 日本医用マススペクトル学会講演集. 17. 187-190 (1991)
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[Publications] 丹羽,利充: "Advances in Neurology,vol.60" Raven Press, (1993)