1992 Fiscal Year Annual Research Report
興奮性アミノ酸による神経細胞死とその防御機構に関する研究
Project/Area Number |
04258212
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 千賀子 神戸大学, 医学部, 教授 (20025571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 正剛 神戸大学, 医学部, 助手 (80243319)
春藤 久人 神戸大学, 医療短大部, 助教授 (70206259)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / NG108-15細胞 / 細胞内カルシウム / イノシトール3リン酸 / タプシガーギン / アンチセンスオリゴヌクレオチ |
Research Abstract |
高熱、重金属や化学物質などのストレスに曝されると細胞内で熱ショック蛋白質(HSP)が誘導、合成され、細胞防御のために機能すると考えられている。脳虚血時にもHSPが発現し、その後に起こる神経細胞死に対する保護効果や回復機転への関与が報告されているが、その分子メカニズムについては未だ不明である。そこで神経芽細胞腫と神経膠細胞腫のハイブリッド細胞であるNG108-15細胞(NG細胞)を用いてHSPのイノシトールリン脂質代謝およびカルシウムシグナル系に対する作用を検討した。42.5℃、2時間の熱ショックを行った後、カルシウム蛍光指示薬のfura-2を取り込ませ、ブラジキニン(BK)あるいは細胞内CaATPase阻害薬のタプシガーギン(Th)により誘発される細胞内Ca^<2+>の上昇(Ca^<2+>rise)を測定した。熱ショック直後ではBKによるCa^<2+>riseは著明に抑制され、その後徐々に回復し、熱ショック後14時間でもとのレベルに戻った。72KD-HSP(HSP72)の発現レベルは熱ショック後約4時間で検出可能となり、14時間で最大となり、その後は減少した。一方、ThによるCa^<2+>riseは熱ショック後も変化しなかった。HSP発現を転写レベルで阻害するケルセチンあるいはHSP72に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてHSP72の発現を抑制すると熱ショック後のCa^<2+>riseの回復はみられなかった。BKによる細胞内イノシトール3リン酸(IP3)産生は熱ショックにより影響をうけなかった。以上の結果より、熱ショックストレス時にはIP3レセプターの障害により細胞内Ca^<2+>の放出が抑制され、その回復過程にHSP72が機能していることが示唆された。
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[Publications] H.Shuntoh: "Molecular structure of the Cβ catalytic subunit of rat cAMP-dependent protein kinase and differential expression of Cα and Cβ isoforms in rat tissues and cultured cells." Biochim.Biophys. Acta.1131. 175-180 (1992)
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[Publications] T.Kuno: "cDNA cloning of a neural visinin-like Ca(2+)-binding protein." Biochem.Biophys.Res.Commun.184. 1219-1225 (1992)
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[Publications] T.Takaishi: "Evidence for distinct neuronal localization of γ and ε subunits of Ca(2+)/calmodulin-dependent protein kinase II in the rat brain." J.Neurochem.58. 1971-1974 (1992)
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[Publications] Y.Kajimoto: "cDNA cloning and tissue distribution of a rat ubipuitin carboxylterninal hydrolase PGP9.5." J.Biochem.112. 28-32 (1992)
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[Publications] T.Hashimoto: "The loss of βII-protein kinase C in the striatum from patients with Huntington's disease." Brain Research.585. 303-306 (1992)