1992 Fiscal Year Annual Research Report
ジフテリア毒素をモデルにした蛋白質の細胞内輸送機構の解析
Project/Area Number |
04259227
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
目加田 英輔 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20135742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
岩本 亮 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10213323)
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50197745)
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Keywords | ジフテリア毒素 / リセプター / DRAP27 / CD9 / 発現クローニング / 複合体 |
Research Abstract |
本研究は、ジフテリア毒素を材料に細胞におけるタンパク質の輸送機構を調べることである。今年度は、ジフテリア毒素リセプターアソシエートしていることが判ったタンパク質DRAP27の役割解析を中心に行い、以下の事を明らかにした。1.発現クローニング法によってDRAP27cDNAのクローニングを行い、得られたDRAP27cDNAの塩基配列を解析した。その結果、DRAP27は細胞膜を4回貫通した膜タンパク質であること、DRAP27が血小板等の抗原として知られているCD9のモンキーホモローグであることが解った。2.DRAP27がジフテリア毒素感受性やジフテリア毒素の細胞への結合に関するかどうかを調べるために、クローニングしたcDNAを細胞にトランスフェクションして、その結果を調べた。その結果、DRAP27は細胞表面にジフテリア毒素リセプター数を約10培増加させ、毒素感受性を約30培高めることが解った。一方ジフテリア毒素リセプターを持たない細胞にDRAPを発現させた場合には、毒素感受性や結合に何の効果をももたらさなかった。これより、DRAP27自体はジフテリア毒素に対する結合性を持たないが、細胞表面のジフテリア毒素リセプター数を著しく増加させる働きがあり、これによって細胞の毒素感受性を高めることが解った。DRAP27はジフテリア毒素リセプターと複合体を形成することで、リセプターを効率よく細胞膜に輸送している可能性が示唆される。3.DNAおよびタンパク質のホモロジー検索を行った結果、DRAP27にホモロジーがあるタンパク質9種類が見つかった。これらのタクパク質は全て膜を4回貫通する特徴的な構造をしており、新しい膜タンパク質ファミリーを形成しているものと思われる。
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[Publications] Tsuneoka,M.: "Degradation of a nuclear-localized protein in mammalian COS cells using Escerichia coli beta-galactosidase as a model protein." J.Biol.Chem.267. 9107-9111 (1992)
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[Publications] Mitamura,T.: "The 27-kD diphtheria toxin receptor-associated protein(DRAP27) from Vero cells is the monkey homologue of human CD9 anigen: Expression of DRAP27 elevates the number of dephtheria toxin receptors on toxin-sensitive cells." J.Cell Biol.118. 1389-1339 (1992)